研究課題/領域番号 |
62550520
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30111925)
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研究分担者 |
長村 光造 京都大学, 工学部, 教授 (50026209)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 複合材料 / ハイブリッド化 / 引張強さ / 応力集中 / 破壊靱性 / モンテカルロシミュレーション / 引張り強さ / 応力集中臨界アスペクト比モンテカルロシミュレーション / 金属マトリックス / 伸び |
研究概要 |
金属基繊維強化複合材料の高強度化・高靱性化をはかるため主繊維の他に第2繊維をうめこむことによりハイブリッド化を試み、理論・実験両面より検討した。ハイブリッド化による効果としては(i)マトリックスとの界面接着の比較的弱い第2繊維をうめこみ、界面剥離を生じさせ、クラックの進展を止めるおよび(ii)主強化繊維より破断伸びの大きい第2繊維をうめこみ第2繊維のところでクラックの進展を阻止するの2つが考えられる。ハイブリッド化によって生じる新しい問題は(a)弱い繊維の破断により生じる応力集中をどのように求めるか、(b)単純な複合則ではもはや予測できない強さをどう予想するか、および(c)破壊靱性の予測は可能かなどがある。本研究では第2繊維の太さが異なる場合、また繊維間隔が不均一となる場合および第2繊維に大きな応力集中がかかる場合等について、シア・ラグ・アナリシス法で応力集中係数の計算を行う方法を考案し、(a)の問題を解決した。また(b)についてはモンテカルロ法による計算機シミュレーション法を用い、一定の成果を得た。(c)については、まずハイブリッド化しない場合の挙動を記述するのに用いられている半理論ー半経験式を吟味し、計算機シミュレーション法が優れていることを明らかにし、次いで本手法をハイブリッド複合材に適用しようと試みかけたが界面接着の問題を定量化するのにさらに基礎研究が必要であるとが判明したため、明確な結論を得るには至らなかった。しかしながら少なくとも現在までに提案されているモデルよりは良く破壊プロセスを再現できることは明らかに出来た。また理論研究と共にタングステンおよびモリブデン繊維強化銅を用いての実験も平行して行ない、実験結果は理論的にほぼ定量的に予測できることを明らかにした。以上の結果よりハイブリッド化は引張強さや破壊靱性の改善に有効な手法であるといえる。
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