研究概要 |
本研究は、メタリン酸アルミニウムガラスを母体とし、Ia,IIa族金属及び亜鉛,鉛などを修飾イオンとして加えた場合、修飾酸化物の酸素がネオジムに配位したり、あるいはメタリン酸の鎖状構造間の橋渡しにネオジムが働らいたりして、ネオジム取り巻く酸素の配位状態と対称性が蛍光特性に与える影響を検討する目的で出発した。しかし、大部分のネオジムが、結晶化をおこしてペロブスカイト型のNdAlO_3を生成し、粉末X線回折より格子定数a。=3.574Åであることを確認しその結晶に基づく蛍光特性を示すことを見いだした。 したがって、NdとAlを種々の類縁金属と置換した化合物をド-プしてJudd-Ofelt法により解析し、次のことを明らかにした。1)Smの添加は蛍光寿命(1.06μm)を著しく減少するが、Yの添加は斜方晶形の結晶を形成して蛍光寿命を増加する。2)強度パラメ-タΩtの値は、結晶化によりネオジムの吸光度が減少し小さな値を示し、誘導放出断面積は小さな値である。 他方、熱衝撃の小さいケイ酸塩ガラスを母体とした場合、3)ド-プ剤としてNdAlO_3,NdGaO_3,NdInO_3を用いるとNd_2O_3を用いた場合よりも蛍光寿命が大きくなる。4)透過電子顕微鏡写真から、NdAlO_3,NdGaO_3,NdInO_3が一つの相として存在するようである。5)量子効率は、NdInO_3>NdGaO_3>NdAlO_3>Nd_2O_3の順に小さくなる。ことなどを見いだした。
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