研究課題/領域番号 |
62550569
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 昭夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037727)
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研究分担者 |
片田江 由紀子 九州大学, 工学部, 教務員
KATATAE Yukiko Kyushu University
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 噴霧熱分解法 / 金属微粒子 / 銀 / パラジウム / 銅 / 導電膜 / 銀ペースト |
研究概要 |
本研究では集積回路などの電導性ペースト材として利用できる貴金属超微粒子を化学炎中に貴金属塩水溶液を霧化、噴霧する方法で製造し、その製造方法の確立と、得られた貴金属微粒子の粉体特性、およびペースト材としての適用性について調べた。 本法で得られる金属粒子の生成過程には次の3種のルートがあることがわかった。(1)火炎温度が金属の融点以下の場合で、金属の溶融、蒸発ともに起こらず中空や不規則形状の粒子が生成する。(2)火炎温度が金属の融点以上の場合で、金属粒子の溶融が起こり、真球状粒子が生成する。(3)火炎温度がさらに高い場合で、金属粒子は蒸発し、気相から超微細な球状粒子が生成する。これらの粒子の粒径は、(1)、(2)の場合、原料溶液の濃度に依存し数百〜数千nm、(3)の場合、金属塩の供給速度に依存し、数十から数百nmであった。火炎温度や金属塩の供給速度を制御することで1つの経路を支配的にでき、(2)の条件下では、粒子内で組成が均一な合金粒子(AgーPd)も得られた。またRFープラズマ法によりCu微粒子も製造できた。 経路(2)または(3)で得られたAg粉体で導電膜を作製し、その特性について調べ、従来法(湿式還元法)で得られたAg粉体との比較、検討を行った。導電膜の特性には、Ag粉体の粒径と分散性が大きく影響することがわかった。粒径が小さく分散性の良いAg粒子からは、非常に薄く、かつ電気抵抗が小さい膜(膜厚2.0〜2.5μm、シート抵抗11.6〜18.1mΩ/square、比抵抗2.3〜4.7μΩcm)が作製でき、これは市販のものと比べても優れたものである。また、市販のAg粒子はかなり凝集しており、本実験でのAg粒子のほうが小さいせん断力で分散させることが可能である。など、工業的にも有用な特性をもっている。
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