研究概要 |
無機媒体としてアルミナ微粒子を用い、有機色素及び半導体超微粒子を分散固定しレ-ザ-発振特性(エネルギ-移動型のレ-ザ-発振)、及び非線形光学特性(第二高調波発生、第三高調波発生)について検討した。 コロイド手法より調整したアルミナ微粒子に有機色素(ロ-ダミン6G,ロ-ダミンB,2-メチル-4-ニトロアニリン等)、及びCd^<2+>,Zn^<2+>水溶液を混合し、シャ-レに流延し室温下空気中にて自然乾燥させ着色透明アルミナフィルムを得た。Cd^<2+>,Zn^<2+>分散フィルムにH_2Sガスを拡散させ、フィルム中に半導体超微粒子(CdS,ZnS)を析出させた。フィルムを加熱乾燥し吸収、及び蛍光スペクトルを測定した。レ-ザ-発振特性は、円筒レンズで集光した紫外N_2レ-ザ-(ピ-ク出力30〜100kW,パルス幅5ns)を用いてフィルムを横励起し、フィルム端面の出射光を光電管と分光器で受け、レ-ザ-出力強度と発振波長を観測した。非線形光学特性については、フィルムにNd:YAGレ-ザ-(λ=1.064μm)を集束照射し、分光器により波長分散性を測定した。 ドナ-色素としてロ-ダミン6G、アクセプタ-色素としてロ-ダミンBを用いた系の色素分散フィルムにN_2レ-ザ-を照射したところ、約610nmでレ-ザ-発振を起こした。この発振波長がロ-ダミン6G濃度を変化させても変わらないこととロ-ダミンB単独分散フィルムの発振波長と一致することから、ロ-ダミン6Gからロ-ダミンBへのエネルギ-移動動作(ETDL動作)が生じたものと考えられる。ロ-ダミン6G濃度の増加につれ出力強度も増加し、ETDL動作による高効率化がはかられた。ロ-ダミン6G濃度が10^<-2>mol/l以上ではレ-ザ-出力が低下する。非線形物質分散フィルムにNd:YAGレ-ザ-を照射したところ、CdS/Al_2O_3,2-メチル-4-ニトロアニリン/Al_2O_3フィルム等で非線形光学特性が得られた。
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