研究課題/領域番号 |
62550608
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
水田 政輝 岐阜大学, 工学部, 教授 (70021566)
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研究分担者 |
藤井 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助手 (50092961)
山田 碩道 (山田 碵道) 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50021613)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | リポ酸 / 2ーチオフェンカルボン酸 / 安息香酸 / 溶媒抽出 / 銅のカルボン酸錯体 / ベンゼン / オクタノール / 芳香族カルボン酸 / カルボン酸銅(II)錯体 / メトキシ安息香酸 / 2-チオフェンカルボン酸 / 非ベンゼン系芳香族カルボン酸 / チオフェンカルボン酸 |
研究概要 |
リポ酸は、ジスルフィド基とカルボキシル基の2つの官能基を有し、生体内では酵素と結合して存在し、生体のエネルギー交換における重要な中間代謝物質であるαーケト酸の酸化的脱炭酸反応の補酵素として働くことが知られており、生体内での反応に関心の持たれているカルボン酸である。 そこで、生体内の反応ではないが、水溶液の反応、有機相の反応、水相ー有機相間の分配平衡を含む液ー液抽出系において、銅(II)とリポ酸の反応を研究し、ジスルフィド基の硫黄原子は銅(II)との結合には関与せず、ジチオラン環の影響はほとんどなく、リポ酸は他の直鎖脂肪族カルボン酸に準じた挙動をすることを明らかにした。すなわち、ジチオラン環とカルボキシル基の間の4個のメチレン基が、ジチオラン環の効果を遮蔽してしまうと考えられる。 次に、硫黄原子を含む5員環である、チエニル基に直接カルボキシル基が結合した、2ーチオフェンカルボン酸を抽出試薬として、銅(II)の抽出を行った。硫黄原子が銅(II)との結合に直接関与しない点は、リポ酸と同じであるが、抽出平衡に関しては、銅(II)錯体の2量体は認められず、むしろ芳香族カルボン酸である安息香酸と類似することが分かった。2ーチオフェンカルボン酸は、非ベンゼン系芳香族カルボン酸であり、共役系が存在することを考慮すれば、共役系がカルボン酸銅(II)の2量体生成に何らかの影響を与えていると考えられる。また、安息香酸は、「オオウキクサ」の開花ホルモンとしても知られるように、リポ酸と同様に生体関連物質としても興味が持たれている。これらの点を考慮して、リポ酸、2ーチオフェンカルボン酸、安息香酸およびその誘導体による銅(II)の抽出を行い、抽出平衡を詳細に比較検討した。
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