研究課題/領域番号 |
62550612
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小松 満男 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029197)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 多官能シクロプロパン / 多官能ヘテロクムレン / 複素環合成 / イミダゾリノン / アザジエン / 多官能三員環 / シクロプロピルイソシアナート / オチシフト |
研究概要 |
複素環化合物より高度な機能や新機能の開拓のために、複素環の多官能化や新規骨格合成のための新試薬や新合成法の開発が多方面から切望されている。このような観点から、本研究では大きな環歪みを有する三員環が直結した多官能ヘテロクムレンを開発し、環開裂をキーとする新しいタイプの複素環設計試薬として有用性の確立を試み、以下のような成果を得た。 1.ジハロおよびモノハロシクロプロピル基を有する新規なイソシアナートの合成法を確立した。また、ジハロシクロプロパンカルボニルイソチオシアナート、オキシラニルイソシアナートなどの反応性官能基を有する三員環化合物の合成法も明らかにした。 2.ハロシクロプロピル基を有するヘテロクムレン類のアミン類との付加反応や、ニトロンとのシクロ付加による複素環合成を検討し、これらの新規多官能ヘテロクムレンの反応特性を解明した。 3.ハロシクロプロパン誘導体の環開裂を活用する複素環設計ルートを開拓した。例えばジブロモシクロプロピル尿素誘導体のメトキシド処理により、プロパン環の開裂をともなってイミダゾリノン環が生成することを見出した。セミカルバジド誘導体からはブロモビニル基を有するトリアゾリジノン環が合成できた。反応を詳細に検討し、反応経路についても明らかにした。 4.ジブロモおよびモノブロモシクロプロピル尿素誘導体を塩基処理することによりプロパン環が容易に開裂し、複素環設計試薬として有用なアザジエン誘導体が合成できることを明らかにした。アザジエンのシクロ付加による複素環形成についてもその可能性を確認した。 以上のように、多官能シクロプロパンは環開裂により、C3ユニット導入をともなう複素環設計試薬として有用である。
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