研究課題/領域番号 |
62550635
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大坪 徹夫 広島大学, 工学部, 助教授 (80029884)
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研究分担者 |
安蘇 芳雄 広島大学, 工学部, 助手 (60151065)
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 有機電導物質 / 分子錯体 / 電荷移動錯体 / 電子供与体 / 電子受容体 |
研究概要 |
本研究では、研究課題の新規の有機電導物質の開発を目指して、電導性の電荷移動錯体の研究に取り組んでいる。そのために、新しいタイプの電子供与体及び受容体の分子設計を行っている。電子供与体の分野ではペリ位カルコゲン架橋芳香族化合物、4ーカルコゲノピランー1、3ージカルコゲノル化合物、ナフタレン縮環TTF類似化合物、縮合チオヘン系芳香族化合物等新しいタイプの種々の化合物の開発に成功した。これらは中程度の電子供与能を有し、その大きさが分子骨格中のカルコゲン種に依存していることが分かった。その分子錯体の電導性は半導体から金属領域に渡っている。一方、電子受容体の分野では、共役系チオヘンTCNQに着目し、それがオンサイトクーロン反発の小さいという特徴をもつ新しいタイプの電子受容体であるということを見いだした。その電子受容能は、母体ではTCNQと比べると弱いという欠点を有していたが、ハロゲン等の電子吸彼基を導入することにより、その電子受容能を高めてみると、極めて良好な電子受容体として働くことが分かった。それ故、種々の電子供与体と形成した錯体は異常に大きな金属性をしめすものが数多くみられた。その中には、室温条件下での加圧成形試料での測定としては、これまで知られている有機電導化合物の中の最も高い電導性を示すものも見いだすことが出来た。このような共役系チオヘンTCNQの成功から引き続いて、他のヘテロTCNQの研究を行い、ピリジン型、フラン型、セレノフェン型TCNQの合成に成功し、各々特徴ある電子受容体として働くことが分かった。これらの化合物はそのヘテロ原子の機能を利用して機能物質として役立つ可能性を有する。今後、本研究で得られた新規化合物及びそれらの分子錯体の構造と物性の解明を行い、更に優れた電導物質の設計と機能物質の開発を行う予定である。
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