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セルロースの生合成機構と高次構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550641
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 高分子物性・高分子材料
研究機関北海道大学

研究代表者

高井 光男  北海道大学, 工学部, 助手 (50002019)

研究分担者 清水 祐一  北海道大学, 工学部, 助手 (80142694)
戸坂 圀夫  北海道大学, 工学部, 助教授 (90001289)
林 治助  北海道大学, 工学部, 教授 (10001182)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードセルロース / 高次構造 / 平行鎖配列 / 逆平行鎖配列 / バクテリアセルロース / セルローストリアセテート / 過熱水蒸気処理 / マーセル化
研究概要

得られた実験結果を列挙すると次のようになる. (1)(1〓0)面の選択的面配向構造を有するbacterialセルロースを18%NaOH, 室温でマーセル化しCell・IIへ転移させても, この面配向を維持している. (2)bacterialセルロースの生合成過程で生じる巨大球晶を(1)と同様にマーセル化しても, その前後における消光パターン及び干渉色の組合せなどに変化が見られず, 分子鎖の配向が変らない. (3)Cell・IIからでも酢化反応条件次第でcellulose triacetateI(CTAI)を生じる. (4)CTAIからCTAIIへの転移が繊維形態を保持したまま過熱水蒸気処理で可能である. (5)ボールミルで機械的に摩砕した天然セルロース非晶化物は水処理で容易にCell・IIを再結晶化する. (6)ramieを液体アンモニア処理して得たCell・IIIは20-NH_2SO_4, 室温の加水分解で繊維形態を保持したままCell・IIへ転校する. 以上の結果を総合して考えると, 天然セルロースと再生セルロースで分子鎖の向きが異ることは不自然である. 即, Cell・Iが平行鎖ならCell・IIも平行鎖, 逆平行鎖なら両者とも逆平行鎖と考えた方がより妥当と思われる. その理由について順に説明する. (1)において, もし分子鎖の逆転が起るならば, 選択的面配向構造を維持し得ない. (2)においても, もしback foldなどが生じるならば消光パターンや干渉色のコンビネーションに変化を生じる. (3)については, Sarko及びChanzyらがセルローストリアセテート誘導体の結晶構造解析を行い, CTAIでは平行鎖, CTAIIでは逆平行鎖を結論している. もし, これが正しいならば逆平行鎖を有するCell・IIからCTAIは決して生じないことになる. (4), (5)及び(6)においては, 繊維形態を保持してたままで分子鎖の逆転はあり得ないし, Chanzyが観察した様なShish-kebab構造は見られなかった. 以上の様な状況証拠の他に, 天然セルロースのramieが逆平行鎖構造を有するという直接的証拠も得た.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Polym.Lett.Ed., M.Takai: J.Polym.Sci.25. 121-126 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 高井 光男: 紙パルプ技術協会誌. 42. 237-244 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] M.Takai: "Wood and Cellulosies, industrial utilization,biotechnology,structure and properties." J.F.Kennedy, G.O.Phillips, P.A.Williams, Ellis Horwood Publisher, 650 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] J. Hayashi: "The Structures of Cellulose, Characterization of the Solid States" R.H.Atalla, American Chemical Society, 315 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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