研究概要 |
ジフエニクロロホスフェート/ピリジン系縮合剤を用いて, イソフタル酸, テレフタル酸(50モル%), メチリヒドロキノン(MeHQ)とフエニルヒドロキノン(PhHQ)の共重合反応を行い, 生成コポリマー中のモノマーシーケンスを液晶形成温度との関係から検討して次の結果を得た. ジカルボン酸のりん酸活性体にMeHQとPhHQの混合物を反応させた時と, 先にMeHQを反応させた後, PhHQを加えた場合では液晶形成温度が著しく変化すること, また, MeHQの滴下時間や滴下後のエイジング時間によっても変化することを明らかにした. また, ジオールの反応順序によって液晶性が影響された. 上記のような物理的な操作ではなく化学的に両ジオールの相対反応性を変化させることによって大巾に液晶形成温度が変化することを見出した. リチウム塩とのコンプレックス化によるジカルボン酸の活性の変化, ジオールとリチウム塩のコンプレックス化による相対求核性を変化させる2方法を検討し, 両方法ともに物理的方法と同様に液晶形成温度変化を示し, ジオールの反応性が有効に制御され, コポリマー中のモノマーシーケンスの制御が可能であることを実証した. モノマーシーケンスと液晶性との相関をより明確にするため, 非対称のMeHQとの単独重合を行い, 金属塩の添加効果はMe基のオルト位とメタ位にある水酸基の方向性が液晶温度に影響することをモデル反応を用いて明らかにした. さらに, ^<13>C-NMRでの末端基定量によるオリゴマーの分子量の測定が可能となったので, 滴下時間やエージングの効果をコポリマー中のMeHQ鎖長から検討している. また, コポリマー中のMe基の方向性についても検討している.
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