研究課題/領域番号 |
62550677
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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研究分担者 |
小山 義之 成蹊大学, 工学部, 助手 (00162090)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | トレハロース / キトビオース / ジアミノ糖 / キトサン / 糖質高分子 / ポリ尿素 / ポリアミド / 膜透過機能 / ジアミノトレハロース / 直接重付加反応 / ジアミノ酸 |
研究概要 |
ジアミノ二糖をモノマーとして用いる重合によって糖質高分子を合成し、その膜による分離機能を検討した結果、初期の目的をほぼ達成できた。 1.ジアミノ二糖の調製:トレハロースを出発原料とする5段階の反応によりジアミノトレハロースを合成した。最適条件下でのオーバーオール収率は約16%であり、効率的方法が確立できた。キトビオースはキトサンの塩酸加水分解物をカラムに通して分離した。加水分解およびカラムクロマトグラフィーの条件を詳細に検討したところ、5gのキトサンから0.3〜0.4gのキトビオースが得られた。 2.糖質高分子の合成:ジアミノトレハロースおよびキトビオースを各種のジイソシアナートと重合させた。重合条件を検討した結果、ジアミノトレハロースからは対数粘度〜0.56dl/gの、また、キトビオースからは〜0.25dl/gのポリ尿素を高収率で合成することができた。次に、ジカルボン酸クロリドとの縮合重合を行い、それぞれ、〜0.48、〜0.26dl/gのポリアミドを合成した。いずれのポリマーも優れた溶解性を示したが、特にポリアミドは水にも溶解することから水溶性糖質高分子としての利用が期待できる。 3.膜透過機能:ジアミノトレハロースから得られたポリ尿素を製膜し、尿素および食塩の透過速度を測定した。その結果、尿素に対しては0.4〜0.5×10^<-7>、食塩に対しては0.08×10^<-7>程度の透過係数が得られ、セルロース透析膜に比較的近い値を示すことを見いだした。また、膜強度を上げるためにポリアクリロニトリルとブレンドしたのち製膜したところ、強度は上がるが、透過性はいく分低下する傾向が認められた。以上のようにこれらの新しいタイプの糖質高分子は透析膜として良好な性能を示すことが明らかになった。さらに高分子量で強度の高い膜を調製することが今後の課題であり、それにより新規な透析膜の開発が期待される。
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