研究概要 |
60, 61年度の科学研究費補助金(一般C)による研究において, 現在操業中開発中の多結晶シリコン製造プロセスを徹底的に解析し, 多結晶シリコンの製造プロセスにおける問題点を明らかにした. その結果に基づき, 製品の純度が高く, エネルギー効率が高くかつ生産性の高い, 新しい流動層循環系を用いた多結晶シリコン製造プロセスを提案した. また, 本プロセスの開発課題が, 流動の維持, 微粉末の抑制, 生成した微粉の流動層内での保持にあることを明らかにし, その基礎研究として, 粒子循環系流動層による微粉の保持に関する研究, モノシランの分解速度の評価を行ってきた. 本年度は, まず, モノシランの分解反応を気相反応と表面反応に分離して評価し, それぞれの分解速度に対するモノシラン分圧および水素分圧の依存性を評価した. (dx)/(dt)=(Ks^0(S/V(1-X))/(1+K_HP_HKsPs)+(Kv°(1-X))/(1+KvP_H) Ks0=2.15×10^<10>exp((-191500)/(RT)〔cm/s〕, Kv^0=2.14×10^<13>exp(-(221300)/(RT))〔s^<-1>〕 Ks=7.6×10^<-3>exp((32900)/(RT))〔kPa^<-1>〕Kv=0.50〔kPa^<-1>〕 KH=0.634〔kP_a^<-1>〕 Ps, PHモノシランおよび水素分圧〔pa〕 すなわち, 微粉生成に寄与する気相反応の水素分圧依存性は, シリコン析出反応である固体表面反応の水素分圧依存性と比較して大きく, したがって, 水素分圧を高くすることにより微粉生成を抑制しうることがわかった. またUCC流動層多結晶シリコン製造プロセスにおける微粉発生量を上式で評価される気相反応の寄与により説明することができた. 次に, トリクロロシランを原料として熱分解実験を行い, 微粉の生成量, 析出表面のモーフォロジーについてモノシランを原料とする場合と比較した. 900-1200°C, 5-10kPaの反応条件下では微粉の生成は見られず, また析出の表面も滑らかであり, HCI等によるエッチングの効果が示唆された. さらに, シリコン金属粒子を流動媒体とする流動層反応器を種々の分散板を用いて運転し, 多結晶シリコン析出反応中の流動を維持するために最適の分散板形状を検討した. 用いて運
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