研究課題/領域番号 |
62550694
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 寛 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40043286)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ポリマーブレンド膜 / イオン分離 / 能動輸送 / 陽イオン交換膜 / 透過機構 / プラズマ重合 / 浸透気化法 / エタノール / 金属イオン / 選択分離度 / イオン交換膜 / 膜透過機構 / イオン透過 / 重金属イオン / 濃縮・分離 / 有効拡散係数 |
研究概要 |
〔1〕ポリ(イソブチレンーalt・coー無水マレイン酸)(ISBN)及びポリ(スチレン)スルホン酸とポリビニルアルコール(PVA)の二種類のブレンド膜を合成し、イオン透過速度、膨潤度、イオン交換平衡に及ぼすブレンド比と膜厚さの影響を検討した。またISBN膜は膨潤度が大きいので、アセタール化による抑制を試みたが、交換容量の減少により透過速度が低下する。流束は膜厚さに逆比例しブレンド比とともに増大するが、対イオンの透過に伴い低下する特性がある。これらの結果に基づく膜内有効拡散係数DeはNa^+、Mg^<2+>、Ni^<2+>の順に低下し、また温度変化に対するDeから透過の活性化エネルギーを算出した。濃縮分離度は最大濃度比としてMg^<2+>/Na^+1.7、Ni^<2+>/Na^+2.0となり、擬定常条件下での初期流束比に対応することを見出した。濃縮の進展は濃度差を増大し、逆拡散を生じるため理論濃度より小さくなった。〔2〕陽イオン交換膜、Neosepta CM-1、によるアルカリ及び土類金属イオンの透過実験を行い、二つのモデルで検討した。膜表面でイオン交換平衡が成立すると仮定し、自己拡散係数を適用したモデルは1価イオンの透過速度だけが説明できた。2価イオンを含めた透過機構の解釈には、非平衡モデルが適しており、膜表面と膜内でのイオン交換速度を考慮する必要があり、膜・液界面での速度過程が重要になることを見出した。〔3〕バイオマス利用のアルコール生産を目的としたエタノール優先透過膜の合成を試みた。シリコーンオイルのキャスト膜とそのプラズマ処理膜、各種シロキサンを多孔質ポリプロピレン基質膜にグラフト化プラズマ重合させた膜について、エタノール水溶液の浸透気化実験を行い、合成膜の透過・選択性を検討した。エタノール選択性α、分離度s、透過流束に及ぼす液組成、温度、圧力差の影響を調べ、αとsはキャスト膜と表面処理膜に有意の差が認められず、プラズマ重合膜では小さいが流束の顕著な増大を認めた。
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