研究概要 |
設計論モデルとして, すでに公表を行ってきた境界因子モデルが制御モデルとして定式化され, この定式化により種々の解析が行なえることを示した. 又, 制御モデルの作成を行い, 実験により境界因子モデルが制御可能であることを検証した. この実験モデルとしては, 電動ウィンチの設計を使用している. 境界因子モデルを具体的な設計手続の表現として実現するために, オブジェクト/オペレーション二元論に基づくフレーム表現を開発した. このオブジェクト/オペレーション二元論は, 情報のエンティテイ(実体)を, オペレーションにより認識されるオブジェクト,オブジェクトにより認識されるオペレーションと表現する認識論である. 開発したフレーム表現を, 電動ウィンチ設計モデルに適用し, 具体的に機械部品(要素)の表現例とその設計例を示し, 設計課程がペトリネットによる制御モデルにより制御可能であることも検証した. 更に, 機械部品の計算に関しては, 6種類で記述可能であることを見いだしたく但し, 幾何的な高速は除く). 境界因子モデルが実用的な設計モデルであることを検証するため, ビデオレコーダのテープ走行を決定するヘッド部のガイドピンの設計シミュレータを開発した. 本シミュレーターは, ソニー株式会社の協力を得て, 十分実用的であることが確認された. 今後, インスタンス・モデルの作成, 階層モデルの作成, 機械データベースの作成などを開発する必要がある.
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