研究課題/領域番号 |
62560003
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
新関 稔 弘前大学, 農学部, 助教授 (40001490)
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研究分担者 |
肥田野 豊 弘前大学, 教育学部, 助教授 (90133850)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 異数性植物 / Nicotiana sylvestris / トリゾーミックス / ダイソーミック / ハプロイド / 染色体花粉 / 突然変異源 / X線 / 付随染色体 / 分化全能性 / 余 剰染色体 / X線照射 / 転座固定 / 過剰染色体 / 一次トリゾーミック / Nicctiana sylvestris / 未熟花粉 / 遅延受粉 |
研究概要 |
はじめに、始原ゲノムを有すると考えられるNicotiana sylvestris(2n=24)の正2倍体および正半数体に同一余剰染色体が付加された場合に起きる遺伝子平衡の乱れを比較検討するため、各種異数性植物の育成を試みた。そこで3倍体と2倍体の交雑F_12倍体を戻交雑し、その後代から61個体のトリゾーミック個体を選抜した。得られたトリゾーミック植物は葉形および花器形態によって12型の完全シリーズに分類することができた。またこのシリーズの葯培養によってダイソーミック・ハプロイドが得られたのは7つのトリゾーミック系統からであった。一般に12染色体(n)を持つ正常半数性花粉起源の植物の出現頻度は13染色体(n+1)を持つ花粉起源のものより明らかに高い傾向を示した。しかし2つの系統、B220とQ480のトリゾーミック個体からは余剰染色体を持つ植物と持たない植物がほぼ同頻度で出現した。またこの2つの系統では花蕾の早い時期のものからはn植物、遅い時期のものからはn+1植物が高頻度で出現し、これはnとn+1の染色体を持つ花粉が葯内で同調的に発育しないためであることを示唆した。得られたダイソーミック・ハプロイドのうち生殖成長期に達したのは5系統のみであり、その中でB220トリゾーミック系統は正常2倍体より葉や花器が増大するのに対し、これから由来するダイソーミック・ハプロイドは著しい奇形でごく小さく、このことは同一余剰染色体が2倍体および半数体レベルで遺伝子平衡に関し大きく異なることを意味した。育種的に有用形質を持つB220の系統トリゾーミック種子生産を目的として25μmのナイロンメッシュで小粒花粉をふるい分けて受粉することによっ70.4%とトリゾーミックスの満足すべき種子生産を示した。なおX線によるB220系統の草勢や花器の増大を示す多面発現的余剰染色体断片の他染色体への転座固定に関する実験は断片染色体の作出にとどまって最終的成功を見ていない。
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