研究課題/領域番号 |
62560041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
久能 均 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)
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研究分担者 |
山岡 直人 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60174588)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 界面活性剤 / プロトプラスト / ウリ類炭疽病菌 / キュウリ / 界面活性剤検定法 / イネしもち病菌 |
研究概要 |
キュウリ及びウリ類炭疽病菌並びにそれらのプロトプラストを非イオン性界面活性剤4種、アニオン性活性剤2種で処理して、プロトプラストによる界面活性剤の細胞学的検定法を検討した。各供試活性剤でプロトプラストを処理したところ、非イオン性活性剤は、細胞膜に作用しプロトプラストを破裂させるグル-プとこの作用を示さないグル-プに分けられた。アニオン性活性剤はいずれもこの作用が極めて強い。細胞膜に作用する非イオン性活性剤で処理すると、プロトプラストは破裂前に膨潤するのに対し、アニオン性活性剤で処理すると突然破裂した。これらの結果から、前者は細胞膜透過性に作用するが、後者は細胞膜の構造そのものを破壊すると推定された。電子顕微鏡観察によって、葉緑体ラメラやミトコンドリアのクリステは活性剤の変化をうけやすいことが示され、細胞内の膜系によって活性剤感受性が異なることが示唆された。また、同じ濃度で処理しても細胞質に現れる影響は生物種によって異なることが明らかになった。次に、キュウリ子葉を活性剤で処理すると、クチクラ層の存在によって活性剤の浸透が妨げられているので、プロトプラスト系で得られた結果は、反映されないことが明らかとなった。しかし、剥離表皮片を裏側から、あるいは炭疽病菌胞子を直接処理すると、プロトプラスト系とほぼ同じ結果が得られたので、細胞壁の存在そのものは活性剤の浸透に顕著な影響を及ぼさないと考えられる。以上のように、プロトプラスト系は調製に時間を要するが、細胞に対する界面活性剤作用性を細胞学的に解析するために鋭敏で有効な系であると考えられる。ただし、高等植物に対する作用を検討する時には、クチクラ層に対する透過性に関して問題があるので、この点については別途検討する必要がある。
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