研究課題/領域番号 |
62560103
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 幸作 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (90142299)
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研究分担者 |
坂口 守彦 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (00027187)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 糸状菌 / ホスト・ベクター系 / プラスミドDNA / 形質転換 / 細胞融合 |
研究概要 |
糸状菌は、種々の有用酵素や有機酸などの工業的生産に重要な真核微生物であるが、その分子育種に関する研究は同じ真核微生物である酵母に比べ極めて立ち遅れている。この研究の低迷に関する最も大きな原因は、糸状菌に遺伝子の担体となる核外DNA又は核外RNAが発見されていないために、宿主・ベクター系の構築ができないことが挙げられる。この難点を克服するため、酵母の宿主・ベクター系を糸状菌に適用する試みがなされているが、この場合には酵母プラスミドの脱落や糸状菌染色体DNAへの組み込みが起きるために遺伝子増幅効果を期待することは勿論、糸状菌DNAの遺伝子解析上の困難も生じている。 そこで、本申請者らは、まず糸状菌における核外DNAの検索を広汎に行なうため、糸状菌のDNAを破壊することなく緩和な条件下で溶菌させ、DNAを抽出する方法を検討し、フッ化水素ガスを用いる装置を組みたてた。この方法により、糸状菌を細胞壁溶解酵素を用いることなく溶菌できることが判った。研究室保存菌株約50株、自然界より分離したカビ類約30株について核外DNAの有無をアガロースゲル電気泳動法で検討した結果、1菌株について核外DNAの存在を確認した。現在、更にプラスミドを検出すべく研究を続けているが、一般的に糸状菌にはプラスミドDNAは存在しないようである。現在、比較的低分子のプラスミドを検出することを試みているが、逆に巨大プラスミドDNAを検索することが必要かも知れない。 他方、糸状菌の宿主・ベクター系に組み込む表現形質マーカーとして、細胞毒であるメチルグリオキサール耐性に関与する遺伝子を利用するため、その遺伝子産物の単離・精製を行ない、諸性質を明らかにした。今後、この遺伝子を用いて、糸状菌のホスト・ベクター系の構築を目指す。
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