研究課題/領域番号 |
62560107
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉尾 剛 岡山大学, 農学部, 助教授 (20033269)
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研究分担者 |
稲垣 賢二 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (80184711)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Thiobacillus ferrooxidans / 硫黄酸化 / sulfur:ferric ion oxidoreductase / バクテリアリーチング / sul fur:ferric ion oxidoreductase / 硫黄酸化酵素 |
研究概要 |
鉄酸化細菌T.ferrooxidans API9ー3株中に、従来他のthiobacilliで報告されてきたものとは全く異なった硫黄酸化に関与する新規酵素sulfur:ferric ion oxidoreductase(SFORase)が存在する事を発見した。バクテリアリーチング能の高い鉄細菌を分子育種するために、SFORaseを均一な標品に精製する事、同酵素遺伝子をクローニングする事を目的とした。 SFORaseを電気泳動的に均一な標品として単離し、電子受容体がFe^<3+>である事を明らかにしsulfur:ferric ion oxidoreductaseと命名した。SFORaseは分子量46000、同一分子量の二つのサブユニットからなっていた。本酵素がperiplasmic spaceに局在する事を明らかにし、SFORaseとiron oxidaseが鉄イオンでリンクする新しい硫黄酸化経路を提案した。SFORase反応にはGSHが必要である事、GSHは元素硫黄と非酵素的に反応し硫化水素を生成し、この硫化水素が固体硫黄酸化の真の基質になっている事を明らかにした。鉄酸化細菌は元素硫黄を用いてMn^<4+>をMn^<2+>に還元する事ができる。このMn^<4+>還元の機構は、SFORase反応の生成物であるFe^<2+>及びSO_3^<2->によってMn^<4+>が非酵素的に還元される事にある事せ明らかにした。また、精製SFORaseがFe^<3+>のみを電子受容体にするばかりでなく、六価モリブデンMo^<6+>をも電子受容体にする事を明らかにした。鉄酸化細菌が硫黄無機塩培地で生育する際に、SFORaseばかりでなく、Iron oxidaseも生合成する事を示し、硫黄酸化に鉄酸化酵素も関与している事を強く示唆した。 API9ー3株よりクロモゾームDNAを調製し、各種制限酵素で切断した後、p^<13R322>に挿入、大腸菌HB101に形質転換して鉄酸化細菌の遺伝子バンクを作製した。これらの組換DNA挿入した株に対して、硫化水素酸化能の高い株の選択を現在行なっている。またSFORaseのN末端アミノ酸20個を決定し、このアミノ酸配列に対応するポリヌクレオチドを化学合成している。このものをプローブにして形質転換体を探索している。
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