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高圧下における食品機能高分子のゲル化機構に関する基礎的研究とその利用

研究課題

研究課題/領域番号 62560123
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 製造化学・食品
研究機関名古屋大学

研究代表者

月向 邦彦  名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023467)

研究期間 (年度) 1987 – 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードゾル-ゲル転移 / 圧力効果 / ゲル化機構 / 食品機能高分子 / ゼラチン / 寒天 / カゼイン / ゾルーゲル転移
研究概要

1.ゼラチンゲルの融解温度Tmに及ぼす圧力効果(dTm/dp)を3000気圧までの圧力範囲で測定した。(dTm/dp)は(3〜4)×10^<-3>K・cm^2/kgでゼラチン濃度には依存しない。ゾル→ゲル転移に伴うエンタルピー変化、エントロピー変化、体積変化(△V)はともに負の値であることがわかった。この結果は、コラーゲンの熱安定性が加圧により上昇するという以前の我々の結果からも予想されることであるが、coil→helix転移により水和量は減少するにもかかわらず△V<0となる点は興味深い。ゲル状態では、ゼラチン分子間に水を介した水素結合(架橋点)が形成され、この水の収縮により体積が減少するものと思われる。また、加圧下ではゲル形成の速度過程は抑制されており、その活性化体積は正であることがわかった。
2.寒天ゲルについてもゼラチンの場合と同様の実験を試みた。その結果(dTm/dp)は2.3×10^<-3>K・cm^2/kgであった。ゲル化の体積変化△Vはやはり負であるがゼラチンの場合の10分の1程度とかなり小さい。カラゲーナンでは、逆に△V>0であることを考えると、その架橋点は分子間の単純な水素結合によるものではなく、ゼラチンの場合のように水が介在していることが示唆された。
3.酵素で処理した牛乳カゼインの凝集性に及ぼす圧力効果を調べた結果、1500気圧付近までの加圧ではカゼインミセルの解離がおこり、それ以上の加圧では再び会合が促進されることがわかった。この結果は、レンネットによるカード形成反応の第2段階(凝集過程)は1500気圧までは加圧により抑制されることを示しており、実際の加圧下でカード形成が抑制される現象と一致している。
以上の研究からわかる通り、圧力はゲル化機構の解明にとって重要な情報を与えるとともに、食品高分子のゲル形成能の改変や制御に、有効に利用できるものと思われる。

報告書

(3件)
  • 1988 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kunio Ohmiya: Agric.Biol.Chem.53. 1-7 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KUNIO OHMIYA: "EFFECT OF PRESSURE ON THE ASSOCIATION STATES OF ENZYME-TREATED CASEINS" AGRIC. BIOL. CHEM.53. 1-7 (1989)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KUNIHIKO GEKKO: "EFFECT OF PRESSURE ON THE SOL-GEL TRANSITION OF GELATIN" TO BE PUBLISHED.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KUNIHIKO GEKKO: "EFFECT OF PRESSURE ON THE SOL-GEL TRANSITION OF AGAROSE" TO BE PUBLISHED.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1988 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kunio,Ohmiya.: Agric.Biol.Chem.53. 1-7 (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Kunihiko,Gekko: to be published.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Kunihiko,Gekko: to be published.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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