研究課題/領域番号 |
62560172
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
滝 欽二 静岡大学, 農学部, 助手 (00022252)
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研究分担者 |
甲斐 勇二 静岡大学, 農学部, 助教授 (60022068)
吉田 弥明 静岡大学, 農学部, 助教授 (10126790)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 木材接着剤 / 複合型接着剤 / 水性高分子ーイソシアネート系接着剤 / 酸硬化型酢酸ビニルエマルジョン接着剤 / 耐熱性接着剤 / 架橋構造 / 動的粘弾性 / 水性高分子-イソシアネート系接着剤 / 耐熱性 / 接着剤 / 木材用接着剤 / 変性酢酸ビニル樹脂接着剤 / 接着剤フイルム / ガラス転移温度 |
研究概要 |
木材接着剤のなかでも溶剤、廃水性また使用の容易さの点から水系エマルジョン接着剤は大変重要であり、今後ますます需要が見込まれている。これらには接着性への要求度の多用性から種々の機能性を持たせるため従来にない複合型接着剤といえるものが開発されるであろう。本研究では水性高分子ーイソシアネート系接着剤と酸硬化型酢酸ビニルエマルジョン接着剤をとりあげてその構造と物性の解析をし、接着性についても言及した。水性高分子ーイソシアネート系接着剤の主成分には種々のポリマーがあるが、その中で2種類のものを選んで粘弾性測定を行なった結果、それぞれ主剤成分の粘弾性挙動は明らかに異なるが、イソシアネートを投入すると両者の粘弾性挙動は大変類似してくる。これはイソシアネートと水分の反応によってできる生成物が大量に接着剤中に生じ、これが物性に大きく影響するものと考えられる。一方、3種類の、酸触媒を投入し耐熱性樹脂を狙った変性酢酸ビニル樹脂は予め含有されている縮合型樹脂の作用で、それらが酢ビ樹脂と架橋して40°ー200℃まで貯蔵弾性率が大きくなることを確認した。これらの両エマルジョン系接着剤で接着したカバ材接着試験を-25°から150℃までの範囲で行なった結果、両者とも従来の木工用酢酸ビニル樹脂接着剤よりも40°ー150℃において明らかに接着強さが大きくなり、また両接着剤を比較すると酸硬化型酢ビ樹脂よりも水性高分子ーイソシアネート系接着剤の方が80℃以上では耐熱接着強さが大きいことを認めた。またそれぞれの接着剤のなかでは物性面から見れば相違があるものの、接着強度値の差はそれほどみられない。複合型接着剤の物性は含有されるポリマー成分に強く依存し、また接着性能に影響を与えることを構造と物性および接着性との関係から明らかにできたが、この研究の成果は今後エマルジョン接着剤開発のための複合化の指針に貢献できるものと思われる。
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