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心材成分の生合成過程の追跡による心材化機構の考察

研究課題

研究課題/領域番号 62560176
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 林産学
研究機関京都大学

研究代表者

野渕 正  京都大学, 農学部, 助手 (50026499)

研究分担者 藤田 稔  京都大学, 農学部, 助教授 (60026599)
三林 進  京都大学, 農学部, 助手 (80026509)
研究期間 (年度) 1987 – 1988
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード心材化 / ペルオキシダーゼ / ジアミノベンジジン / 放射柔細胞 / 仮道管 / 移行材 / 油滴状物質 / 心材フェノール成分
研究概要

心材化の機構を解明するには, 心材成分の生合成過程に関する知見を深めることが重要である. 本研究では細胞学的観察, 成分分析に加え, 心材成分生合成過程に関与すると考えられる酵素, ペルオキシダーゼについても調べた. 試料木として心材成分の分析が進んでいるスギを用いた. またペルオキシダーゼは細胞化学的に検出した. 方法はジアミノベンジジン(以下DABと略記)法を用いた. 得られた結果は以下の通りである.
1.光学顕微鏡によりDAB法でペルオキシダーゼの分布を観察した. ペルオキシダーゼは一般に辺材部の放射柔細胞中と仮道管内こうに存在した. 軸方向柔細胞中には存在しなかった. 放射柔細胞中では液胞中に存在し, また基質にも含まれた.
2.放射方向にペルオキシダーゼを追跡したところ, 放射柔細胞中のペルオキシダーゼを持った液胞は, 辺材内層部から移行材にかけて消失した. ただし仮道管中のペルオキシダーゼはさらに内層部まで存在した. 移行材内層部から心材においては, DAB反応は陰性を示した.
3.放射柔細胞中のペルオキシダーゼを持つ液胞は, 季節的に変化した. すなわち心材化の時期と考えられる秋期直前に最大となる傾向を示した.
4.仮道管中のペルオキシダーゼが消失する部位で, 放射柔細胞から仮道管へと油滴状物質が移動した.
5.心材フェノール成分をTLCで調べたところ, 油滴状物質の出現にやゝおくれて, 心材フェノール成分が形成されることが判明した. 以上の結果から,
6.放射柔細胞中で形成され, 主として液胞中に貯えられていたペルオキシダーゼが仮道管へと移動し, 油滴状物質と強く関わる過程で, 心材成分が生合成されたものと推定された. 今後これらの部位について, さらなる検討を加える予定である.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 野渕正他: 木材学会誌.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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