研究課題/領域番号 |
62560291
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60092491)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 泌乳 / 吸乳刺激 / 性腺刺激ホルモン / CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン) / β-endorpliin / 副腎 / ACTH(副腎皮質刺激ホルモン) / Corticosterone / CRH / β-endorphim / ACTH / Corticosterono / β-endorphin / Corticesterone / LH / FSH / Prolactin inhrbin / progestcune / 卵胞発育 / 黄体機能 / CRF / Prolactin |
研究概要 |
本研究では、泌乳動物における性腺刺激ホルモンの分泌調節機構を解明する一端として、特に不明の点が多い吸乳刺激による性腺刺激ホルモン分泌抑制機構について、新たな視点、即ち、「視床下部-下垂体-副腎系」と「視床下部-下垂体-性腺系」との関連性について検討した。 1.吸乳刺激に伴うACTH及びCorticosterone分泌:乳子による吸乳刺激により、血中ACTH及びCorticosteroneが上昇する事実、また、吸乳刺激によるACTH分泌は、泌乳前半期には軽度であるが、泌乳後半期に増加することを初めて明らかにした。更に、外因性CRH投与実験から、このような下垂体のACTH分泌反応性の変化は、下垂体のCRHに対する感受性の変化によることを明らかにした。一方、副腎のCorticosterone分泌反応性は下垂体とは異なり、泌乳後半期に上昇する事実も併せて明らかにした。 2.吸乳刺激による性腺刺激ホルモン分泌抑制におけるCRHとβ-endorphinの関与:CRH及びβ-endorphinの側脳室投与実験から、泌乳ラットにおいて、CRHとβ-endorphinはLHとFSH分泌を著しく抑制すること、またβ-endorphinはProlactin分泌を著しく促進する事実を明らかにした。 3.泌乳ラットの性腺刺激ホルモン分泌調節における副腎の役割:泌乳ラットの副腎を摘出すると、血中corticosteroneは急激に低下し、逆にACTH、β-lipotropin及びPiolactinが急激に上昇し、これに伴って、血中LH、FSH、inhibin及びPwgesteroneが有意に低下する事実を明らかにした。 これらの結果から、泌乳動物では、吸乳刺激が原因となって、ストレス時に起こると極めて類した機構、即ち、「CRH-ACTH-corticosterone系の活性化」によってLH-RH分泌が抑制され、次いで下垂体ではLH、FSH分泌抑制、Prolactin分泌亢進が誘導され、その結果として卵巣では卵胞発育が抑制される事実を明らかにした。しかし、泌乳動物でも外からLHあるいはFSHを投与することにより卵胞発育が促進されることを明らかにした。
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