研究課題/領域番号 |
62570031
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
島田 眞久 香川医科大学, 医学部, 教授 (00084830)
|
研究分担者 |
今林 富男 香川医科大学, 医学部, 助手 (40145040)
尾崎 宏基 香川医科大学, 医学部, 助手 (00152471)
霜野 良一 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30131337)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | ミクロオートラジオグラフィー / 2ーデオキシグルコース / グルコース / 海馬 / GFA / マウス / ABC-DAB法 / cell counting / 2-デオキシグルコース |
研究概要 |
脳はその機能を発揮するためのエネルギー源として、正常状態ではglucoseに唯一依存している。本研究においては、海馬におけるglucoseの取り込みを左右する要因を明らかにするためにradioactive 2-deoxxglucoseとglucoseを用いてのautoradiographyおよびその取り込みの深く関与していると考えられるastrogliaの分布状態を観察し、以下の多くの新知見を得た。最もglucoseの取り込みの高いのは、分子一網状層であり、取り込まれたglucoseは主としてATP産生後すばやくCO_2と水に分解される。ここには細くて短かい突起を放射状に出すastrogliaが高密度に存在していることが明らかになったので、血管周囲をおおうこのgliaがすばやくglucoseを取り込みシナップス部位におけるATP産生に寄与しているのではないかと考えられる。一方この部位のシナップス数が他層より有意に高密度に存在しているわけではないからむしろこの層に入る内嗅領からの貫通枝が機能的に活発に働いているためではないかと推論される。他方この層に次いで高い取り込みが見られた歯状回の分子層では、取り込まれたglucoseはATP産生よりもむしろglucose依存のアミノ酸(主としてGlu Asp)にトラップされ、神経伝達物質として利用されているのではないかと推論される。これに関与するastrogliaは長い突起を垂直方向に出しているgliaである。これに反しglucoseの取り込みが低い錐体細胞層と顆粒細胞層は、シナップス数も最も少なくastrogliaがほとんど存在していない部位であった。同じく取り込みの低い透明層と歯状門ではgliaが比較的少ないという所見にとどまった。今回錐体細胞層のなかでもCA3aの部位が他の部位より取り込みが有意に高くしかも乳酸に蓄積され易いことが推論され、同様のことが顆粒細胞層でも起っているらしい所見が得られた。このことを証明して行くためには今後これら代謝に関与している酵素を免疫組織学的に追求して行く必要があると考える。
|