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中枢神経再生の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 62570035
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 神経解剖学
研究機関岩手医科大学

研究代表者

井出 千束  岩手医科大学, 医学部・解剖学教室, 教授 (70010080)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード神経再生 / 中枢神経 / 凍結処理 / 温熱処理 / 視神経 / 後索 / ラミニン / ラット
研究概要

長い伝導路をつくる神経線維が損傷された場合, また元通りの伝導路を伸びて機能的に回復することは不可能とさている. 本研究では, 実際に中枢神経系において, 神経線維の再生がどの程度まで起きているかを調べるために次の実験を行なった. 動物はすべてラットを用いた.
1.脊髄後索を凍結処理することによって, グリア境界膜の基底膜を保存したまま細胞成分を破壊した. 損傷部の尾側領域を中心に軸索の再生と髄鞘の再形成を経時的に調べた. 一部は抗ニューロフィラメント抗体を用いて免疫組織化学的に調べた.
2.同様な実験を視神経について行なった.
3.中枢神経系では, 外傷による単なる脱髄後の無髄神経線維を再生線維と誤認することがあるので, 再生軸検の同定のために, 細い縫合糸をループ状にして損傷した後索内では捜入して, ループ内に伸びる線線を調べた.
4.ラミニンをIV型コラーゲンと混合した約1μlを凍結処理した後索内に注入してその効果を調べた.
5.脊髄後索を温熱処理することによって, その後変化を調べた.
結果は次の通りである. 1.脊髄後索の凍結処理では, 凍結部位で髄鞘, 軸索ともに破壊されたが基底膜は保存された. 尾側領域を中心に, ミトコンドリアや小胞を含んだ成長端がみられ, これらの再生芽はある程度は伸び(1mm以下), グリア細胞もそれに伴って増殖した. しかしこれらの再生芽は損傷部を通って頭側のワーラー変性をおこしている部位に達しさらに伸びることはなかった.
2.視神経の凍結処理についても同様な所見であった. ただし網膜の神経節細胞は次第に変性する傾向にあった.
3.捜入された糸のループ内を伸びる軸索が少数ながら見られ再生軸索を同定することができた.
4.ラミニンとIV型ラコーゲンの注入部位では非注入部位より多数の軸索がみられた.
5.温熱処理では軸索は保存されるが髄鞘が破壊されるという興味ある所見を得, 髄鞘再形成をみた.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ide, Chizuka: Journal of Neurocytology.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Ide, Chizuka: Journal of Neurocytology.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 井出千束: 医学のあゆみ. 143. 727-731 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 井出千束: 日本医師会雑誌. 98. 1247-1252 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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