研究課題/領域番号 |
62570049
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 薫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50111373)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 前庭性眼振 / 急速相 / サッケード / 舌下神経前位核 / バーストニューロン / 上丘 / 視覚性応答 / 舌下神経前立核 |
研究概要 |
ネコの舌下神経前位核とその腹側網様体には、水平急速眼球運動の最終中継ニューロンである興奮性バーストニューロン(EBN)を直接駆動すると考えられる介在ニューロン(burster-driving neuron,BDN)が存在する。本研究は覚醒標本を用いてBDNの発射活動を生理的条件下で記録し、前庭入力および視覚性入力に対する応答を定量的に解析し以下の結果を得た。 1.BDNは、対側水平半規管から興奮入力を受け頭部回転速度に比例した活動を示し、かつ対側への眼振急速相およびサッケードに先行してバースト発射を示した。この応答は方向特異性が高く、バースト発射に含まれるスパイク数は眼球運動の水平振幅に比例し、バースト発射頻度は水平眼球速度に比例していた。従って急速眼球運動を起こす速度信号はBDNのレベルで既に形成されていると考えられる。 2.BDNは明らかな視覚性応答を示し、視野内で対側へ動く物体を提示した時にバースト発射を示した。さらに同側上丘深部の刺激によりBDNは短い潜時で賦活され、その最短潜時から2ないし3シナプス性に興奮性入力を受けることが示された。従って、BDNのサッケード応答および視覚性応答には、同側上丘からの興奮性経路が関与すると考えられる。また眼球運動の起こらない場合でも視覚性応答は見られることから、BDNを駆動する視覚入力はポーズニューロンの活動を休止させる入力とは独立であることが示唆された。 3.上丘刺激により誘発される眼球運動の水平方向の振幅は頭部水平回転により明らかな変化を受けることが見いだされた。BDNの上丘刺激に対する応答も前庭入力により修飾され、対側への回転で促通を、同側への回転では抑圧を受けた。以上の結果から、BDNが前庭入力と視覚入力の統合に重要な役割を果たすことが示唆された。
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