研究課題/領域番号 |
62570078
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
河南 洋 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00049058)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 循環系神経調節 / 交感神経活動 / 視床下部傍核 / 電気・化学刺激 / アンギオテンシンII / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 覚醒ラット / 心房性ナトリウム利尿ホルモン / 腎交感神経活動 / 無麻酔ラット / 心・血管系調節 / 腎機能 / 血圧調節 / 視床下部屋傍核 / 電気 / 化学刺激 / アンジオテンシンII |
研究概要 |
1.ペプチドの中枢内作用部位の1つと考えられている視床下部室傍核激の血圧、心拍数と腎交感神経活動(RSNA)に対する効果を調べた。ウレタン・クロラロース麻酔したラットで室傍核を電気あるいはグルタメート刺激するとRSNAの滅少を伴った降圧反応が、1方覚醒ラットではRSNAの増加を伴った昇圧反応が見られた。したがって、室傍核ニューロンは交感神経系を介して血圧の昇圧と降圧調節系に関与していること、そして麻酔によってこれら2つの調節系のバランスが強く影響されることが分かった。今後ペプチドの中枢作用を調べてゆく上で麻酔の影響を考慮する必要性が改めて示唆された。 2.ペプチドの脳室内投与の血圧、心拍数とRSNAに対する効果を麻酔下及び覚醒ラットを用いて調べた。 (1)、アンギオテンシンII(AII)は用量依存性に血圧上昇とRSNAの減少を引き起こした。心拍数は麻酔ラットでは変化しなかったが、覚醒ラットで減少した。これらの反応はAII拮抗剤のサララシンで消失したのでAIIリセプターを介すること、また受容器からの求心線維を切断した麻酔ラットでもAIIによるRSNAの減少が見られたので、RSNAの抑制反応は圧受容器を介する2次的なものでないことが示唆された。腎血流はAII投与で変化しなかったので、観察したRSNAの減少はレニン分泌や尿細管でのナトリウムの再吸収など腎血行動態以外の機能に関与していることが示唆された。 (2)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)単独投与では血圧、心拍数とRSNAは変化しなかった。しかし、ANP前投与でAIIによる血圧上昇と徐脈反応が減弱した。RSNAの抑制反応はANPで影響を受けなかった。したがって、ANPとAIIの心・血管系に対する作用部位と腎機能に対する作用部位が異っている可能性が示唆された。
|