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正常心筋標本を用いたCa2+イオンチャネルのイオン透過性と不活性化機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570082
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 薬理学一般
研究機関東京大学

研究代表者

重信 弘毅  東京大学, 薬学部, 助教授 (50012654)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード心室筋 / 微小電極法 / 活動電位 / カルシウムチャネル / カルシウムイオン / ナトリウムイオン
研究概要

モルモット右心室遊離壁標本を用いて微小電極法により活動電位を導出記録した. 細胞外液を, Ca^<2+>を除去したEGTAを加えた栄養液に交換すると, 活動電位波形には持続時間のわずかな延長以外には著明な変化は認められない. しかし, ここにエピネフリンなどの交感神経β作用薬を投与すると, 活動電位の異常な延長が起こることを見出した. この持続時間の異常に長い電位に関して次のような実験結果を得た. (1)この電位はβ作用薬を投与して始めて発生するもので, β遮断薬によって拮抗される. 所謂Caアゴニストを併用するとβ作用薬の効果が更に著明に認められる. 従って, この電位の発生にはCaチャネルの活性化が必要であると考えられる. (2)無機および有機のCa拮抗薬で抑制されるので, この電位を形成するチャネルはCaチャネルである. (3)本実験条件ではCa^<2+>は除去されているので, 細胞外液に含まれ内向き電流を運ぶ可能性のある陽イオンはNa^+のみである. 同一条件で, 外液Na^+濃度を1/2にすると持続時間の延長は減弱し, そこにNa^+を加えると持続の延長は再び著明なものとなる. 即ち外液Na^+依存性が認められる. これらのことから, Caチャネルを流入する内向き流はNa+によって運ばれていると考えられる. これらの実験結果から, 今回見出した異常に持続時間の長い電位について次のような示唆が得られる. Ca^<2+>除去・EGTA加により, Caチャネルの選択性を形成する膜のCa^<2+>が除去され, Caチャネルを通ってNa^+が流入するようになった. 更に同条件によりCaチャネルの不活性化に働く細胞内Ca^<2+>も低下する為, 内向き電流は長時間活性化され, 異常に持続時間の長い活動電位を形成する. この結果は, 単一心筋細胞を用いて得られた仮説(1.CaチャネルをNa^+も通る. 2.Caチャネルは細胞内Ca^<2+>によって不活性化される)を, 正常心筋標本を用いた実験から支持するものと考えられる.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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