研究課題/領域番号 |
62570104
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
市山 新 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90025601)
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研究分担者 |
船井 恒嘉 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70209146)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | セリン:ピルビン酸アミノ転移酵素(SPT) / ペルオキシゾーム / ミトコンドリア / グルカゴン / インシュリン / 転写開始部位 / 同一遺伝子からの2種類のmRNA / セリン / ピルビン酸アミノ転移酵素(SPT) / インスリン / ピルビン酸アミノ転移酵素 / フタル酸ジー2-エチルヘキシル / 3,5,3′-トリヨードチロニン(T_3) |
研究概要 |
ラット肝臓のセリン:ピルビン酸アミノ転移酵素(SPTと略)はミトコンドリアとペルオキシゾームに存在する。これら2種類のオルガネラのSPTは非常によく似た性質を示すが、グルカゴン及びインスリンによりミトコンドリアのSPT(SPTm)のみが著しい誘導を受ける。SPTmの生合成については、我々は既に、約1900ヌクレオチドのmRNA(1900nt-mRNA)→SPTm前駆体蛋白質(45KDa翻訳産物)→SPTm(43KDa)へのプロセシングを伴うミトコンドリアヘの移行、という過程の概略を明らかにした。本研究においては、ペルオキシゾームのSPT(SPTp)の生合成過程の解明を試み、以下の結果を得た。1.従来より1900nt-mRNA以外のSPT関連mRNAとして検出されていた1700nt-mRNAでは、1900nt-mRNAの5′非翻訳領域からN末端延長ペプチドの途中までに相当する約70塩基の配列が欠けており、且つホルモン投与直後の1900nt-mRNAより3′ポリA末端が短かいことが明らかとなった。2.ゲノムDNAのSouthernブロット解析から、SPT遺伝子は一種類と推定された。この遺伝子クローンを単離し、11個のエキソンからなる全体の構成と重要部分の塩基配列を決定した。その結果、1900nt-mRNA及び1700nt-mRNAの転写開始部位は同一エキソンに存在し、その上流域にTATAボックス及びこれに近接してCAATボックスが各1個存在することが明らとなった。3.SPTm前駆体蛋白質以外のSPT関連翻訳産物として従来より見出されていた43KDa-翻訳産物及び1700nt-mRNAは、SPTpの増加がみられる全ての条件で、それぞれ検出される主な翻訳産物、mRNAであった。しかし、この43KDa-翻訳産物をペルオキシゾームへ取り込ませようとしたin vitroの実験において、ペルオキシゾームに付着するが中へは入らないという事態が生じた。現在、取り込み至適条件を検討中である。4.SPTmのN末端アミノ酸配列がMet-Gly-Ser-His--と決定された。SPTmとSPTpは同一酵素と思われる。
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