研究課題/領域番号 |
62570115
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
南里 宏樹 九州大学, 医学部, 助手 (80150415)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | グルコ-ス6-リン酸酸化経路 / 酸化的ストレス / ミクロソ-ム / グルコ-ス6-リン酸膜透過機構 / ミクロソームグルコース / 6-リン酸酸化系 / ミクロソームグルコース6-リン酸輸送体 / ミクロゾームグルコース6-リン酸酸化系路 / グルコース6-リン酸透過系 |
研究概要 |
我々は以前、ラット肝ミクロゾ-ムにNADP^+に依存してグルコ-ス6-リン酸(G6P)を酸化し、NADPH、CO_2、リボ-スを生成する代謝系が存在することを見いだした。このG6P酸化系は、ミクロゾ-ムに広く存在することから細胞活動にとって重要な働きをしていると思われるが、その本来の機能については全く不明であった。本研究では、ミクロゾ-ムG6P酸化系の活性調節役割について検討し、以下のような結果を得た。 1.ミクロゾ-ムG6P酸化系は通常の状態では不活性であるが、diamide、Cumen hydroperoxide、Methylene blueなどの酸化剤によって酸化的ストレスを加えと活性化された。 2.ミクロゾ-ムの洗浄、detergent処理、細胞分画法によってグルタチオン還元酵素がミクロゾ-ムにも局在することが示された。また、従来から知られているようにグルタチオンパ-オキシタ-ゼ活性もミクロゾ-ムに存在することから、酸化剤によってミクロゾ-ムのGSSG、NADP^+が増加することが、G6P酸化系を活性化していると考えられる。 3.無傷ミクロゾ-ムでのG6P酸化反応は、ミクロゾ-ム膜にあるG6P輸送体の特異的阻害剤であるDIDSによって阻害され、この阻害は高濃度のG6Pで特異的に回復した。 4.detergent処理したミクロゾ-ムではG6P酸化系とG6Pホスファタ-ゼが基質G6Pに対して競合するが、無傷ミクロゾ-ムでは競合しなかった。以上の事実より、ミクロゾ-ムG6P酸化系は、酸化剤によって活性化されるNADPH産生系であり、酸化的ストレスに対する防御機構として機能していること、また、この系には特異的なG6P輸送体がカップルしており、基資G6Pを効率よく供給していることが明らかとなった。
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