研究課題/領域番号 |
62570140
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)東京都精神医学総合研究所 |
研究代表者 |
吉川 和明 東京都精神医学総合研究所, 分子生物学研究室, 副参事研究員 (30094452)
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研究分担者 |
山本 明広 東京都精神医学総合研究所, 分子生物学研究室, 研究員
相沢 貴子 東京都精神医学総合研究所, 分子生物学研究室, 研究員
亀谷 富由樹 東京都精神医学総合研究所, 分子生物学研究室, 研究員 (70186013)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | コレシストキニン / エンケファリン / 遺伝子発現 / プロテインキナ-ゼA / プロテインキナ-ゼC / 糖質コルチコイド / 細胞内二次情報伝達系 / 向精神作用物質 / 神経ペプチド前駆体遺伝子 / 遺伝子発現調節 / サイクリックAMP / ソマトスタチン / 神経ペプチド / エンケヘァリン前駆体 / 細胞内情報変換系 / グルココルチコイド / mRNA / 中枢神経系 / ステロイドホルモン / 発達 |
研究概要 |
種々の向精神作用物質は細胞内の二次情報伝達系を介して神経細胞の機能を修飾することが知られている。一方、神経細胞機能の調節因子として知られている種々の神経ペプチドの生合成は遺伝子発現によって行われている。そこで本研究では主として細胞内二次情報伝達系による神経ペプチド遺伝子発現の調節機序について分子生物学的手法により検討した。 1)ラット終脳のコレシストキニン前駆体遺伝子は生後発達の初期に一過性の増加を示し、さらに性ステロイドの効果と考えられる顕著な性差が認められた。 2)ラットの初代培養細胞を用いた実験によってエンケファリン前駆体遺伝子がプロテインキナ-ゼA系やプロテインキナ-ゼC系の活性化物質によって調節を受けていることが判明した。 3)向精神作用を有するステロイドホルモンである糖質コルチコイドはプロテインキナ-ゼA系を介するエンケファリン前駆体遺伝子発現活性化を選択的に増強するが、プロテインキナ-ゼC系には効果がなかった。 4)ラットの生殖細胞にもエンケファリン前駆体遺伝子が発現しているが、上記のプロテインキナ-ゼ系の活性化物質によって調節を受けなかった。また、発現しているmRNAは生殖細胞に特異的なものであった。 これらの結果、エンケファリン前駆体遺伝子は細胞内二次情報伝達系の相互作用によって調節をうけていることから、種々の向精神作用物質によって動的な変動を受けている可能性が明らかになった。本研究によって得られた成果は今後、他の神経ペプチド遺伝子発現調節機構の分子レベルでの詳細な研究に発展してゆくものと期待される。
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