研究概要 |
STD Wistar系ラットにsilicone塞栓による内頸動脈閉塞を施し, 一過性能虚血を作製し, 対照群, 無処置群, indomethathine 4mg/kg投与群について10分, 50分, 2時間, 3時間閉塞とし, それぞれ閉塞後50分間血流を再開して検索した. 1)能局所血液量は, 電解式血量計を用い, 低位能固定装置に固定したラット頭頂部皮質で計測した. 内頸動脈閉塞後, 局所血流は減少(23.7±2.6対4.3±1.4ml/min/ioomg)し, 再開により20.5±4.3ml/min/10.0mg)と増加した. 2)網膜組織のornithine decarboxyiase活性は変動を示さなかった(30.5±6.1pg/ml protein per hour)が, throm boxane代謝物(TXB_2)は21.2pg/mg proteinと増加した. しかし, indomethathine投与群では, TXB_210.5±3.4, ODC 15.52pg/me proteinと共に減少した. 3)対照群の網膜には内・外境界膜を置くミューラー細胞の突起にエタクリン酸高感受性Mg ATPase, Na, K ATPaseの局在を認めた. 虚血後, 網膜ミューラー細胞の膜, 小脳体に含まれるMg ATPase, Na-K ATPaseは活性が低下し, 内網状層の浮腫がみられた. 神経細胞傷害を高度で, 特に神経節細胞において著明であった. HRPを用いた電顕では, 浮腫液の血管からの細胞外腫への〓〓が観察され, 血液網膜関門は破綻している. 永久閉塞群と再開群の虚血部毛細血管には内皮細胞の〓脱, 血小板の付着がみられ, 再開群において顕著であった. 4)抗ポリアミン抗体を作製し, vasegenic edema治療への試みは今年度では検討するに至らなかった.
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