研究課題/領域番号 |
62570171
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
脇 誠治 群馬大学, 医学部, 助教授 (10056286)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マラリア / 防御免疫 / 免疫病理 / T細胞 / ガンマ-インターフェロン / モノクローナル抗体 / 自己抗体 / リンホカイン / ガンマーインターフェロン / 細胞性免疫 / 抗体 |
研究概要 |
1.目的:マウスに急性感染死をもたらす強毒株と一過性の原虫血症後自然治癒し防御免疫を賦与する弱毒製造業突然変異株のネズミマラリア原虫(Plasmadium berghei NK65およびXAT)を用いてこれら毒性の異なる原虫感染と宿主免疫応答の違いから感染によって生体が獲得する防御免疫機構の解明を試みた。 2.方法:(1)マウスの原虫抗原に対する特異的および非特異的免疫応答を感染の経過を追って比較をした。 (2)感染におけるマウスの免疫応答をリンパ球レベルで調べ、免疫応答の発現に関与するT細胞サブセットとリンホカインを同定した。 3.結果:(1)強毒原虫感染では防御に働く特異的な免疫応答が発現する前にマウスはすべて死亡するが、非特異的抗体産生の抑制と抗リンパ球自己抗体の産生が示された。さらに感染末期には抗原刺激でガンマ-インターフェロンを産生する特異的CD8^+T細胞の肝への集積が認められた。 (2)弱毒原虫感染ではマウスは抗原特異的な抗体の産生や細胞性免疫を発達し原虫を排除し、強毒原虫感染で認められる免疫抑制や自己抗体の産生は起こらなかった。防御免疫の導入と維持には抗原刺激でガンマ-インターフェロンを産生するCD4^+T細胞が必要であった。 4.結論と今後の展開:強毒原虫感染においては宿主の免疫能低下とともに免疫応答に関与するT細胞がクラスI主要組織適合抗原(MHC)と原虫抗原を認識し肝臓にて免疫病理として発現し急性感染死につながる可能性が、弱毒原虫感染ではクラスIIMHC抗原と原虫抗原を認識するT細胞が防御免疫の発達に役割を担うことが示唆された。いずれの感染でもガンマ-インターフェロンの関与が認められた。抗原特異的T細胞クローンを作り感染における機能を調べるとともにT細胞ブロッティング法によって抗原分子が同定できると、本研究はマラリアワクチン開発の基礎となる細胞性免疫を発達させる有効抗原検索のための動物実験モデルとなる。
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