• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

大腸菌O157:H7が産生する志賀毒素様毒素とVero毒素の構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 62570185
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 細菌学
研究機関東京大学

研究代表者

湯通堂 隆  東京大学, 医科学研究所, 助手 (80182674)

研究期間 (年度) 1987 – 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード志賀毒素様毒素 / 蛋白合成阻害 / 出血性大腸炎
研究概要

大腸菌0157:H7が産生する志賀毒素様毒素(VT1)およびVero毒素(VT2)を, VT1はカナダで, VT2は日本における出血性大腸炎の患者の便から分離した菌株を用いて精製した. VT1は菌体抽出画分を, VT2は培養上清を出発材料として, 硫安分画, DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィー, クロマトフォーカシング, 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるゲルろ過により, それぞれ精製した. ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なったところ, VT1, VT2はそれぞれ1本の染色バンドを呈し, そのバンドの位置に一致して活性を認めた. ただし, VT1とVT2の泳動位置は異なっていた. SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動ではVT1, VT2はそれぞれ2本の染色バンドを呈し, A, B2つのサブユニットから構成されていることがわかったが, VT2のA, BサブユニットはVT1よりそれぞれやや大きいことを認めた. ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動によりVT1の等電点は7.0, VT2は4.6であることがわかった. アミノ酸分析においてもVT1とVT2は異なる値が得られた. VT1, VT2をそれぞれトキソイド化してウサギを免疫して調製した抗血清を用いてゲル内沈降反応を行なったところ, VT1は抗VT1抗体に, VT2は抗VT2抗体にのみ反応し, 免疫学的にこれらの毒素は異なることがわかった. 以上のようにVT1, VT2は物理化学的, 免疫学的には異なる毒素であることがわかったが, 両毒素とも生物学的には強いマウス致死活性, Vero細胞毒素活性を有していた. さらに, VT1, VT2は両毒素とも蛋白合成における延長因子1(EF-1)依存性アミノアシルtRNAのmRNA-rRNA複合体への結合を阻害することを明らかにした. この作用は真核細胞の60Sリボソーム亜粒子由来28SrRNAの3'末端から4324番目のアデニン1分子を遊離させるRNA N-グリコシターゼ活性をVT1, VT2が有しているためであることがわかった.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Hisao Kurazono et al.: FEMS Microbiol. Lett.44. 23-26 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Kazuei Igarashi et al.: FEMS Microbiol. Lett.44. 91-94 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Takashi Yutsudo et al.: FEMS Microbiol. Lett.48. 273-276 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Takashi Yutsudo et al.: Microb. Pathog.3. 21-30 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshiro Ogasawara et al.: Microb. Pathog.IN PRESS.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yaeta Endo et al.: Eur. J. Biochem.IN PRESS.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 湯通堂隆,竹田美文: "輸入感染症" 近代出版, 362 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 湯通堂隆,竹田美文: "食中毒の正しい知識" 菜根出版, (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi