研究課題/領域番号 |
62570193
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宅見 賢二 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035428)
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研究分担者 |
竹岡 あや 徳島大学, 医学部, 教務員 (00116831)
古賀 哲郎 徳島大学, 医学部, 助手 (20093859)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 病原性クロストリジウム / E型ボツリヌス菌 / 細胞表層 / 規則的配例構造 / 構造蛋白質の再構成と再付着 / 蛋白非分解性ボツリヌス菌 / 共通抗原 / 免疫電顕法 / A型 / 細胞壁 / 蛋白抗原 / 菌体表層蛋白抗原 / 細胞付着 / 免疫電顕法(フェリチン抗体法 / プロティンA-金コロイド法) / A型, E型ボツリヌス菌 / 免疫電顕法(フェリチン抗体法, プロティンA-金コロイド法) |
研究概要 |
古細胞を含む多くの細菌はその表層に蛋白質又は糖蛋白質よりなる6角形、四角形または平行線状の規則的配例構造(RA)を有している。RAは菌体の全表層をカバーする層状構造体である。したがってその機能は単に物理的あるいは酵素化学的な外界からの障害に対する防御壁というにとどまらず外界からの栄養素などの撰択的取込み、内から外への代謝物の輸送、さらにファージあるいはバイテリオシンの認識能など多様な生物活性を有することが推察されている。本研究は毒素型食中毒起因菌の代表的菌種であるE型ボツリヌス菌のRAについてその構成成分の同定、物理化学的、生物学的症状の解明、免疫電顕法による微細構造の解析ならびに再構成、再付着などの分子構築の形態学的観察を行い自己構築機能を明らかにする目的で行われた。 E型ボツリヌス菌VH株の細胞壁を4モル塩酸グアニジンまたは6モル尿素で処理するとRA蛋白質が撰択的に可溶化され、SDS-PAGEで分析すると4〜5本の主要な蛋白バンドが検出されたが、全菌ウサギ抗血清によるイムノブロットによって分子量が90万(90K)と60万(60K)の2種の蛋白質が表在性抗原蛋白として同定された。両蛋白質のアミノ酸分析では、共に酸性アミノ酸の優性に対し含硫アミノ酸の低量性などRA特有の性状が明らかに示された。ゲルより切り出し抽出した各蛋白質に対する特異抗体によるプロテインAー金粒子標識法によって、両蛋白質がほぼ均等に菌体表層に露出し分布していることが確認された。この表在性はクロラミンT法によるヨード標識法によって再確認された。またイムノブロットにより両蛋白質が蛋白非分解性ボツリヌス菌の共通抗原であることが示された。一方4モル塩酸グアニジン細胞壁抽出液をCa^<++>存在下で緩衝液に透析するともとと同じ平行線状パターンをもった径40〜280nm、長さ約1μmにおよぶ円柱状構造体が析出し、これがRAの両構成体であることが確認された。
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