研究課題/領域番号 |
62570200
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂岡 博 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40000947)
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研究分担者 |
青森 継充 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (50133765)
関根 潔 北海道大学, 歯学部, 助手 (70113579)
本多 丘人 北海道大学, 歯学部, 講師 (30109475)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 分子疫学 / 遺伝子変異 / 進化 / 制限酵素 / 遺伝子 / 変異 |
研究概要 |
我が国は地域で分離した275株の単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)分離株ゲノムを3制限酵素を用いて切断し、114切断点の獲得・消失によってHSV-1ゲノムのパターン化を標準株F株との比較によって行った。また、パターン化した分離株のクラスター分析を行い、我が国のHSV-1株ゲノムの分子疫学的解析により以下の成績を得た。 1.解析した275のHSV-1株は87という多数の切断パターンに分類された。これらの株は、遺伝的に遠く離れた4切断パターン、すなわち、パターン6に24株、27に62株、59に15株、76に12株と4つの主要パターンに集中した。 2.最も頻度の多いパターン27において、札幌-香川、秋田-鳥取間などでまたパターン76においては香川-久留米間において、分離株の頻度に有意差が認められた。 3.18切断中、BamHIにおけるA、A´間の切断点消失とAの切断点獲得、D、H間の切断点消失とAの切断点の獲得など、特定の切断点の間に変異の相関が認められた。 4.クラスター分析法により、87の切断パターン間でゲノムの類縁関係を明らかにし、樹状図を作成した。現在日本人に感染しているHSV-1ゲノムは、系統分類学的に2-6(C_<a1>-C_<b6>)に大きくぶんりいするのが妥当と考えられた。 以上から、我が国のHSV-1株は、国内の分離地域によってゲノム構造に差があるものの、我が国特有のゲノムを保有していることが明らかとなった。また、我が国において極めて長期にわたって生じた変異がHSV-1ゲノム上に蓄積し、我が国特有のゲノム変異を持ったHSV-1が現在の日本人に定着したものと考えられる。
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