研究課題/領域番号 |
62570225
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 国立小児病院 |
研究代表者 |
水谷 修紀 国立小児病院, 小児医療研究センター・感染症研究部ウイルス (60126175)
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研究分担者 |
藤本 純一郎 国立小児病院, 小児医療研究センター・病理病態研究部病理研, 室長 (60175578)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リンフォカイン / CALL抗原 / DQ_<52> / IgH遺伝子 / 胸腺上皮細胞 / Tリンパ球初期分化 / 分子機構 / DQ52 / 5′H領域 / lineage fidelity / レトロウィルスベタター / largeT遺伝子 / 細胞質内CD3 |
研究概要 |
ヒトTリンパ球の初期発生と分化のメカニズムを考察する目的で未熟リンパ性白血病細胞に発現されるCommon ALL抗原の生化学的性状を解析し、またリンパ球前駆細胞の抗原受容体遺伝子の構造を解析した。更にヒト胸腺上皮細胞の単離に成功し、膜抗原や、産生されるリンフォカインについても検討した。これらの研究によってTリンパ球発生分化のメカニズムを明らかにできるもの期待した。Common ALL抗原はBリンパ球や一部のTリンパ球、線維芽細胞や腎上皮細胞などにも発現がみられる分子量100kdの糖たん白である。我々はこの抗原を分離し、各組織においてたん白レベルで共通性がみられること、結合しているシアル酸の構造に多様性のみられることを明らかにした。未熟B細胞の中でもCommon ALL抗原を発現するものは従来既にIgH遺伝子の再構成がみられるとされている。我々は未熟Bリンパ球と考えられるものの中にIgH遺伝子胎児型のもの、DQ_<52>ーJ結合型のもの、より上流のDとJの結合したものを見出し、夫々がB前駆細胞の分化段階を反映するものと推察した。この推察はその後F.Altらによってマウスの実験で支持された。 Tリンパ球の分化においては胸腺上皮細胞との反応が極めて重要である。我々はヒト胎児胸腺より被膜下上皮細胞を単離し、これをSV400ri^-遺伝子により不死化した。さらにこれをクローン化することにより、被膜下上皮細胞がMーCSFを産生することを明らかにした。これは胸腺内におけるマクロファージやDendritic cellの分化に重要な役割を果していると考えられる。更にこの上皮細胞にはLFA3抗原が発現されており、Tリンパ球のCD_2抗原と強く結合することも明らかにできた。これらの研究を通して、Tリンパ球の発生分化のメカニズムを更に一層明らかにできるものと期待している。
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