研究概要 |
正常人のSe摂取と体内レベル及び各種慢性疾患におけるその変動を解明するために本年度の研究実施計画に従い以下の結果を得た. 1.主要食品中494品のSe含有量の測定結果. 以下食品群名, 最大値(mg/100g)を示す. 小麦類, 0.0758 野菜類, 0.056 果実類, 0.015 海草類, 1.035 嗜好品類, 0.616 魚介類, 0.46 肉類, 0.2159 卵類, 0.489 乳類, 0.3415 2.Se一日摂取量の推定. 上記食品中Se含有量と国民栄養調査成績より算出したSe摂取量は100〜270μg/人/日であった. 3.正常人の血清, 頭髪中Se含有量. 血清中Seの測定は蛍光光度法である. 徳島県男性48名, 113ηg/ml±16.5 女性49名, 108ηg/ml±11.0であり沖縄県のそれは男性100名, 120ηg/ml±14, 女性100名, 105ηg/ml±21であった. 頭髪中SeはICAP分析法によった. 徳島県住民は40才台60才台男性各々1350名1.40μg/g±0.33, 1.36±0.35, 40才台60才台女性各々1600名, 1.28±0.39, 1.43±0.37であった. 40才台の沖縄県住民は男性104名, 1.53±0.78, 女性85名, 1.94±0.62であった. 4.各種慢性疾患とSeとの関係. 徳島県下における疫学的研究, 徳島県下14郡市の5年間の各疾患別訂正死亡率と男性住民の頭髪中Se含有量との相関係数は, 癌-0.41, 心疾患0.17, 高血圧性疾患-0.06, 脳血管疾患0.40, 肝硬変0.17, 腎炎及びネフローゼ0.33 女性では癌0.19, 心疾患0.44, 高血圧性疾患-0.28, 脳血管疾患0.46, 肝硬変0.14, 腎炎及びネフローゼー0.04であった.
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