研究概要 |
次のような探索的な調査項目を設定した。A:両親側の要因.1.両親の職業的,および家庭内の化学物質や,磁場.電離放射線および生物学的因子への暴露,2.母の妊娠中の薬物摂取と放射線被曝,3.ニトロソアミンに関連した妊娠中の母の食品摂取または化学物質暴露.4.父母の遺伝歴と病歴,妊娠中の母の疾病および過去の妊娠出産歴.B:児の側の要因,1.出生後の病歴,特にウィルス感染と予防接種.2.児の薬物接種と防射線被曝,単変量解析の結果,有意のオッズ比のえられた項目は病院対照との比較では,妊娠中のハム・ベ-コン摂取,漬物,飲酒頻度の高い者はオッズ比が高かった。ペットあり(妊娠中・発病まで)のオッズ比も高かった。母の化学物質暴露では妊娠中のベンジンと殺虫剤スプレ-の使用が,父の暴露では化学物質取り扱(妊娠前・中・発病まで),農薬の使用(妊娠中・発病まで)のオッズ比が有意に高かった。地域対照との比較では母の妊娠中のXーP診断,超音波エコ-のオッズ比もそれぞれ1.9(Clは1.13ー3.21)3.O(Clは1.55ー5.86)であった。母の妊娠中飲酒あり,ヘア-スプレ・ベンジン暴露と塗料暴露もそれぞれ有意に高いオッズ比がえられた。単変量の解析で有意の結果が得られた項目について,Comditional Logistic Regression Analysisを行った。病院対照との比較では,母の妊娠中の酒・漬物摂取,ベンジン使用が有意に高いオッズ比であった。出生後ペットありも有意に高いオッズ比であった。母の妊娠中殺虫剤スプレ-使用,父の妊娠1年前の化学物質使用,妊娠中農薬使用のオッズ比も高かった。地域対照との比較では母の診断XーP暴露のオッズ比が1.99(1.35ー2.94)で有意に高かた。ベンジン・塗料・妊娠中の飲酒も高いオッズ比を示した。
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