研究課題/領域番号 |
62570253
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
矢野 栄二 帝京大学, 医学部, 助教授 (50114690)
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研究分担者 |
東 博文 鹿屋体育大学, 体育学部, 助手 (30119614)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 火山灰 / 健康影響 / 浮遊粒子状物質 / 森林作業者 / じん灰検診 / 呼吸器自覚症状調査の信頼性 / 牛の肺 / じん肺検診 / 呼吸器自覚 / 症状調査の信頼性 |
研究概要 |
桜島火山の噴火活動による火山灰の健康影響を調べるため、以下の調査を行った。第一に、住民のうち火山灰に暴露する機会のもっとも多い職業集団である森林作業者で、この集団にじん肺様所見が見られるか否かをじん肺検診を行って調べた。検診の内容には、呼吸器自覚症状、呼吸機能に加えて、高圧撮影による胸部レントゲン直接撮影と詳細な作業歴の調査を含めた。森林作業者の作業中に測定した火山灰由来の浮遊粒子状物質濃度により作業地区を3区分したが、暴露する粉塵量にはかなり地区間の差があった。しかし区を3区分したが、暴露する粉塵量にはかなり地区間の差があった。しかし呼吸機能はいずれの地区別・性別集団でも正常範囲で、地区間の差は認められなかった。自覚症状調査による呼吸器疾患の有症率はいずれも低く、地区間の差は認められなかった。また胸部レントゲンを中心としたじん肺検診でも、じん肺の者は認められなかった。また胸部レントゲンを中心としたじん肺検診でも、じん肺の者は認められなかった。一般住民に比べ、はるかに長期かつ高濃度の火山灰に暴露する森林作業者で火山灰の影響が認められなかったことは、その住民への健康影響はそれほど大きくないと考えられた。第二に、これまでに行った住民に対する火山灰健康影響調査の有効性を検証するため、呼吸器自覚症状調査の信頼性を、繰返し調査の方法で検討した。その結果、呼吸器自覚症状調査の項目の中には、調査季節が結果に影響を及ぼす項目があることが明らかになったが、自覚書状の頻度の結果に影響を及ぼす項目があることが明らかになったが,自覚症状の頻度の高い項目、慢性化した症状を示す項目の陽性反応率を解析することにより、調査の信頼性を高めることができるとの結論を得た。第三は、現地に多い和牛の屠殺肺の中かの火山灰量を、牛の飼育地域毎に調べ、住民の火山灰暴露の指標となりうるか否かを検討した。プラズマ発光分析により決めた牛の肺中の元素のうち、牛の年齢と相関し火山灰暴露量と関係すると思われる珪素は、火山灰高暴露地区の牛が高い値を示す傾向が認められたが地区間の差は有意ではなく、現在更に分析試料数を増やして検討を進めている。
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