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土壌真菌の法医学的研究(血液および毛髪におよぼす影響について)

研究課題

研究課題/領域番号 62570268
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 法医学
研究機関長崎大学

研究代表者

中園 一郎  長崎大学, 医学部, 教授 (30108287)

研究分担者 岩崎 稔  長崎大学, 医学部, 助手 (40145230)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード土壌真菌 / ABO式血液型 / 解離試験 / monoclonal anti-A,B and H抗体 / α-N-acetyl-D-galactosaminidase / α-D-galactosidase / α-L-fucosidase / 毛髪 / keratinase
研究概要

1.土壌真菌の血液におよぼす影響-土壌より12属の真菌を分離・同定し, このうち分類群に基づき3菌種, Cunninghamella elegance,Penicillium simplicissium,Aspergillus nigerを実験に用いた. この3菌株を直接ABO各型血球に接種し培養を行なったところ, ABO各型血球は, monoclonal anti-A,B and H抗体を用いた解離試験でいずれもH型と判定された. 次に真菌が血液型物質を分離する酵素を産生していることを各種糖分解酵素質を用いて定性試験でみたところ, α-N-acetyl-D-galactosaminidase(A型分解酵素), α-D-galactosidase(B型分解酵素), α-L-fucosidase(H型分解酵素)の産生が確められた. そこで真菌産生糖分解酵素と血液型の関係について真菌の培養3液を用いて検討しこところ, A型分解酵素は3菌株とも産生しており, このろ液を作用させたA型血球はいずれもH型と判断された. B型分解酵素は, 活性値が低い場合には作用B型血球はB型ともH型とも判定されたが, 活性値が高い場合には作用B型血球はH型と判定された. H型分解酵素の産生は13.5(U)以下と低く, H型の血球の分解は明らかでなかった. 以上の結果より, A,B型物質のH型への転換は真菌が産生するA,B型分解酵素が型物質の末端抗原決定糖を分解しH型と同じ糖鎖配列に変化させるために生じるものと考えられた. またこのH型への転換の程度は分解酵素活性におよそ比例していると考えられた.
2.土壌真菌の毛髪におよぼす影響-土壌より毛髪を餌として好ケラチン性真菌の分解を行ない2菌株が分離された. この菌株を直接毛髪に接種し, 培養したところ, 毛小皮は崩壊し, 色調は薄くなり, 毛髪は一部断裂することが確認された. 真菌の培養ろ液中のkeratinase活性をカゼイン・プレート上で検討した結果, keratinase活性が高い場合(Trichophyton属)に毛髪の分解が強く認められた. 以上の結果より, 真菌による毛髪の分解は真菌の産生するkeratinaseによるものと考えられた.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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