研究課題/領域番号 |
62570269
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
永盛 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (50045605)
|
研究分担者 |
梶原 正弘 琉球大学, 医学部, 助手 (30152656)
内間 栄行 琉球大学, 医学部, 助手 (90093377)
向井 敏二 琉球大学, 医学部, 講師 (20200230)
大野 曜吉 琉球大学, 医学部, 助教授 (70152220)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 内因性急死 / 外因性急死 / 交通事故 / 南西諸島 / 凍死 / 司法解剖 / 行政解剖 |
研究概要 |
「変死体」として取り扱われる事例のほとんどは急性死亡(急死)に由来するが、急死は法医学上、各種の問題を含んでおり、社会的にも影響が大きい。そこで、当法医学教室において、昭和57年度から同62年度の間に、取り扱った変死体982例(検案197、司法解剖499、行政解剖286)について、急死の原因およびその発生機序について検討した。成績を次に要約した。 1.死亡を種類別に比較すると、内因死(病死)23.1%、自殺20.8%、他殺と交通事故がともに12.4%、事故災害9.8%、自過失8.5%、その他13.0%であった。これを性別にみると、男性74.7%、女性25.3%で男性が圧倒的に多い。2.自殺例を手段別にみると、縊死がもっとも多く、全自殺例の37.3%を占め、溺死19.6%がこれに次ぎ、飛び下り、中毒、焼死の順であった。3.他殺例を手段別にみると、鋭器によるものが圧倒的に多く(37.7%)、鈍器によるものがこれに次ぐ(24.5%)。他殺例を年令別にみると、20才代がもっとも多く、10才未満と60才以上がこれに次ぐ。さらに近親犯による被害者の年令をみると、10才未満がもっとも多く、しかも加害者が精神障害者であることが多い。一方、精神障害者による他殺は、全他殺例の21.3%であった。4.交通事故例における歩行者と自動二輪車の事故は68%、自動二輪車運転事故死の65%は10才代の男性であった。5.疾病による急死例では、急性心疾患が約4割、脳血管系疾患、消化器系疾患、呼吸器系疾患がこれに次ぎ、全国的傾向と一致する。しかし、消化器系疾患による急死の大半は肝臓疾患(肝硬変症)であり、これは東京や大阪の約2倍の比率に達しているのが特徴的で、この原因としてアルコール飲料との関係が示唆された。この問題については、今後検討を要する。一方、当地域は亜熱帯に属するが、凍死(低湿による全身機能障害)が10例見出された。
|