研究課題/領域番号 |
62570282
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小泉 順二 金沢大学, 医学部付属病院, 助手 (20161846)
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研究分担者 |
馬渕 宏 金沢大学, 医学部, 助教授 (00019960)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | コレステロールエステル転送蛋白 / コレステリルエステル転送活性 / 遺伝子多型性 / HDLーコレステロール@アポAl比 / 家族性高コレステロール血症 / 家族性高HDL血症 / 冠動脈硬化 / HDL-コレステロール / アポA1比 / コレステロールエステル転送活性 / アポE含有HDL / HDL-C / アポA〓比 / CETP遺伝子の多型性 |
研究概要 |
コレステロールエステル転送蛋白(CETP)は、アポB含有リポ蛋白(LpーB)へコレステリルエステル(CE)を転送する蛋白であり、動脈硬化の進展、退縮に重要と考えられているコレステロール逆転送系に関係している。我々はCETPと動脈硬化症との関係を検討し、以下の結果をえた。 1、冠動脈造影所見より、冠動脈狭窄はHDLーC、HDLーC/Al比と負相関を示した。このHDLーCおよびHDLーC/Al比の変化はアポB値と有意の負の相関を示し、HDLーCの低下における、LpーBの増加の影響が示唆された。 2、家族性高コレステロール血症患者(FH)における比重1.063以上分画のアポE/アポAl比は正常者より増加していた。アポE含有HDL(EーHDL)の増加がヘテロ接合体およびホモ接合体FHで認められ、コレステロール逆転送系の障害が示唆された。ヘテロFHのCETAは正常より高値であり、ホモFHでは正常の4倍の高値であった。また、CETAとHDLーC/Al比とは負の相関が認められた。 3、CETP遺伝子はTaqI制限酵素により2種のRFLPを示した(A:9.0Kb/7.5Kb,5.3Kb/4.4Kb)。CETAの欠損している家族性高HDL血症患者のRFLPを検討した。完全欠損と考えられた発端者(SY)においてもCETP遺伝子は存在し、7.5Kbと4.4Kbのホモ接合であった。この家系内でのHDLーCの高値とRFLPのタイプとの間の関係は認められなかった。FHでのCETP遺伝子のRFLPが同様に検討された。特定のalleleとCETAとの間に有意の関係はみられなかったが、HDLーC/Al比とRFLPのパターンとの関係が認められる家系も存在し、HDLの変化に対するCETP遺伝子の関与が示唆された。 以上より、CETPは高脂血症では増加しており、HDLーCの低下とLpーBのCEの増加に関与し、動脈硬化に促進的に働くと考えられた。CETAの調節には遺伝子レベルでの関与も示唆された。
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