研究課題/領域番号 |
62570313
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 均 (1988) 東京大学, 医学部(病), 助手 (80202422)
岡 裕爾 (1987) 東京大学, 医学部(病), 助手 (20160658)
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研究分担者 |
名越 澄子 東京大学, 医学部(病), 医員
藤原 研司 東京大学, 医学部(病), 講師 (80101088)
池田 均 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 肝再生 / 上皮成長因子 / 増殖因子 / 血小板 / イムノアッセイ |
研究概要 |
1.上皮成長因子(EGF)の生体内分布:実験動物として頻用されるラットのEGFを雄性ラット顎下腺より抽出・精製し、単一のペプチドとして充分量の活性物を得た。これを用いて抗体を作製したのちに、ラジオイムノアッセイと2種のサンドイッチ固相酵素免疫測定法を確立した。後者は、前者に比し安定性や試料阻害のないことなどですぐれ、その最小測定限界は0.5Pg/tubeであった。臓器EGF分布については、顎下腺以外に精嚢腺・前立腺・膵・腎・甲状腺の順に高いEGF活性を認め、特に精嚢腺で高いことは新知見であった。消化管では十二指腸が、他の部位に比し最も高値を示した。 2.病態下でのEGF集積:血中および血小板中のEGF活性の有無を、正常および肝部分切除后ラットより試料を調整し、測定した。また、これらの試料の濃縮操作、血小板顆粒放出操作を加えても測定した。いずれの試料にも、有意なEGF活性は認められず、ラットにおいては、血中および血小板中のEGFの存在は明らかでなかった。一方、ラットEGFは、初代培養肝細胞系てはそのDNA合成を明らかに促進した。肝部分切除后を用いて、門脈内に放射性EGFを投与したのちのオートラジオグラフィーによる検討では、肝再生の初期にEGFが核内に集積したことから、直接的な肝再生促進作用を有することが明らかとなった。 以上より、肝再生においては、EGFが肝臓に直接作用することを明らかにし得たが、血液あるいは血小板由来のEGFの働きについては、ラットでは明確し得なかった。今後、肝再生と血中EGFの関係を明らかにするためには、EGFの測定系の一層の改良、EGF結合・抑制因子の解明、他種動物を用いての同様の検討などが必要と考えられた。
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