研究課題/領域番号 |
62570317
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
野村 元積 福井医科大学, 医学部, 助手 (70172822)
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研究分担者 |
大瀧 美恵 (大瀧 美惠) 福井医科大学, 医学部, 助手 (20194186)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | IgA型HBc抗体 / sIgA型HBc抗体 / polymeric IgA / 胆汁中IgA / 肝臓内局所免疫機構 / HBc抗体 / IgA型HBC抗体 / sIgA型HBC抗体 / 胆汁IgA / IgA型HBc / IgAsubclass |
研究概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染者血清中にはIgA型HBc抗体が存在し、HBVキャリア-では無症候性キャリア-から慢性肝炎、肝硬変と肝障害が進展するにつれ、IgA型HBc抗体が高力価になっている。このためさらにIgA型HBc抗体をIgAsubclass別にまたsIgA型HBc抗体をEIAで測定法を確立しHBVキャリア-血清について測定検討した。これらのうち慢性肝障害患者の急性増悪期と寛解期のIgA型HBc抗体を比較検討すると、急性増悪期では寛解期に比べて、IgA型HBc抗体、IgAi型HBc抗体、IgA_2型HBc抗体、sIgA型HBc抗体とも上昇したが、特にIgA_2型HBc抗体、sIgA型HBc抗体の力価の上昇が著明であった。またその上昇の程度は慢性肝炎非活動型に比べて慢性肝炎活動型、肝硬変でより高く、組織学的進行の程度と相関していた。 急性増悪期血清と寛解期血清をHPLCで分画後、各分画中のIgA型HBc抗体を測定してその分子性状を検討すると、IgA型HBc抗体活性はpolymer、monomerの両型で存在し、急性増悪期では両型とも活性が上昇したが、特にpolymeric formの上昇が著明であった。即ちB型慢性肝障害患者では増悪期と寛解期ではHBc抗原の刺激の強さと期間が異なり、それに伴なってIgA型HBc抗体の分子性状も変化し、増悪を繰り返し、増悪期に近ければp-zgA型HBc抗体、寛解期が長く安定化した時期であればm-IgA型HBc抗体が主体になると考えられた。次に胆汁中のIgA型HBc抗体を測定した。IgA型HBc抗体濃度は血清に比べて低値であるが、その分子性状はpolmerが主体であり、それは血清中に比べて有意に高率であった。また胆汁中のpolymeric IgA型HBc抗体はsIgA型HBc抗体が主体であったが、sIgA型HBc抗体以外のpolymeric IgA型HBc抗体も存在し、IgA型HBc抗体の肝臓より胆汁への輸送機構は、scmediated transport以外の輸送機構があることが示唆された。
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