研究課題/領域番号 |
62570320
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井本 正己 (井本 正巳) 名古屋大学, 医学部, 助手 (10158769)
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研究分担者 |
福田 吉秀 名古屋工業大学, 保健管理センター, 講師 (40181284)
小山 泰生 名古屋大学, 医学部, 助手 (40192067)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 慢性肝疾患 / 免疫組織化学 / 線維化 / 小葉改築 |
研究概要 |
慢性肝疾患々者32例の肝生検組織を、本研究における対象とした。胆管上皮はsecretory component(SC)、CA19ー9、血管は第VIII因子関連抗原(FVIIIRAg)、OKM5、神経軸索はγーエノラーゼ、シュワン細胞はS100蛋白、クッパー細胞はリゾチームなどをマーカーとして、免疫組織化学的にその局在を明かにすることで、肝小葉改築におけるこれらの細胞の形態学的変化を検討した。胆管上皮細胞はSC、CA19ー9が染色され、肝硬変症では、SC、CA19ー9陽性の増生胆管が門脈域で多数観察されたが、不規則な分岐、管腔の不整、狭窄もみられた。門脈域では、FVIIIRAg陽性、OKM5陰性の血管内皮が増生していたが、小葉内の類洞内皮は、FVIIIRAg陰性、OKM5陽性であり、血管のheterogeneityがみられた。しかし、小葉内へ線維化進展している部位の増生血管は、FVIIIRAg陽性、OKM5陰性であった。これは、電顕による超微形態上も区別された。慢性肝炎の拡大した門脈域では、S100蛋白、γーエノラーゼ陽性の神経線維が血管、胆管とともに増生していた。肝硬変症でも、線維性隔壁の中では同様の増生がみられたが、再生結節内には、これらの神経線維はほとんどみられなかった。類洞被覆細胞との関係では、リゾチーム陽性のクッパー細胞やOKM5陽性の類洞内皮細胞には、神経支配は観察されなかった。伊東細胞は、正常肝において、その周囲に神経線維が存在しており、類洞の神経性血流調節は伊東細胞を介することが示唆された。慢性肝炎から肝硬変症に進行するに従って、胆汁分泌、代謝調節等の機能が障害されてゆくが、これは、線維化のみでなく、血管、胆管および神経線維の増生と分布変化によることが、明らかにかった。
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