研究課題/領域番号 |
62570334
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小林 絢三 (小林 洵三) 大阪市立大学, 医学部, 教授 (70046928)
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研究分担者 |
中村 肇 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60164323)
荒川 哲男 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60145779)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | プロスタグランディン / カルシウムイオン / サイトプロテクション / 酵素抗体法 / サイクロオキシゲナ-ゼ / 15-hydroxy-PG-dehydrogenase / 胃粘膜被蓋上皮細胞 / エタノ-ル傷害 / ガストリン / ヒスタミン / PG局在 / ストレス / 壁細胞 / PG生合成 / Caイオン / 外因性PG / エタノール傷害 / 細胞保護作用 / PGE_2局在 / PGE_2生合成 / PGI_2生合成 |
研究概要 |
消化性潰瘍発生の病因としてのプロスタグランディン(PG)の意義について、ラット胃粘膜におけるPGの生合成、局在ならびに胃粘膜単離細胞を用いた系で基礎的研究を行った。まずPG合成に関しては、胃粘膜側ではPGE_2が、漿膜側ではPGI_2がそれぞれ主に合成され、インドメタシンにより合成は低下した。このことより、同じPGでもsubtypeによって産生部位が異なる可能性が示唆された。さらに胃粘膜側のPGE_2合成はCaイオンの濃度に比例して合成が亢進し、Caイオノフォアでも合成が亢進したがEDTAでは減少した。すなわちPG合成系にはCaイオンの関与が大きいと考えられた。またヒスタミン、ガストリンによりPG合成は亢進するとともに塩酸惹起性胃粘膜病変に対してサイトプロテクションが認められ、インドメタシンによりその作用は廃絶された。 PG局在の検討では、酵素抗体法によりPGE_2は壁細胞と被蓋上皮細胞に、PGI_2は血管内皮細胞と被蓋上皮細胞および一部の腺細胞に、TXA_2は血管内皮細胞にそれぞれ濃染した。また電顕レベルでもPGE_2が壁細胞のミトコンドリア内のリボゾ-ムに染まり、壁細胞でのPGE_2合成が示唆された。さらにPG合成酵素であるサイクロオキシゲナ-ゼやPG代謝酵素である15-hydroxy-PG-dehydrogenaseの局在を調べたところ、PGの局在とよく一致していた。 また、単離細胞における実験系では、胃粘膜被蓋上皮細胞を単離し検討した結果、15%のエタノ-ルで細胞生存率は低下したが、PG投与により細胞傷害は抑制され、PGのサイトプロテクションが細胞レベルでも実証された。
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