研究課題/領域番号 |
62570366
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上野 聡 大阪大学, 医学部, 助手 (40184949)
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研究分担者 |
曽我 文久 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
西川 嘉郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10218141)
SOGA Fumihisa Osaka University Medical School
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | lipid storage myopathy / 培養皮膚線維芽細胞 / 長鎖脂肪酸酸化 / triglyceride分解 / 皮膚線維芽細胞 / 長鎖脂肪酸酸化能 |
研究概要 |
網膜色素変性、感音性難聴を伴うlipid storage myopathy症例の形態学的及び生化学的解析を行った。形態学的には、骨格筋、末梢血白血球、培養皮膚線維芽細胞に中性脂肪蓄積を認め、電子顕微鏡による観察から、限界膜を有しない中性脂肪滴の存在が確認された。生検骨格筋の生化学的分析により、carnitine含量、carnitine palmitoyltransferase活性、ミトコンドリア内膜電子伝達系酵素活性低下を認めず、この症例はmultisystem triglyceride storage diseaseと呼ばれ3疾患に属すると考えられた。患者皮膚培養線維芽細胞を用いた脂肪酸酸化能測定から、長鎖脂肪酸に特異的な脂肪酸酸化能低下を明らかにしたが、長鎖脂肪酸酸化に特異的な個々の酵素活性低下を認めなかった。培養線維芽細胞内triglyceride含量は対照の約10倍であり、その脂肪鎖組成は対照と差はなかった。皮膚線維芽細胞に対して〔1ー^<14>C〕palmitateを負荷し、その細胞内各脂質画分への取り込みを測定した結果、triglyceride画分への取り込みが増加していることが明らかとなった。そしてchaseによる細胞内triglyceride分解速度低下も認められた。acid lipase活性及び中性trigyceride lipase活性測定結果は正常であった。 multisystemic triglyceride storage diseaseでは、その発症機序に関して、長鎖脂肪酸酸化障害、細胞内triglyceride分解障害がそれぞれ報告されており、その発症機序は明らかにはされていない。本症例の脂肪酸、triglyceride代謝の分析により、長鎖脂肪酸酸化障害及び細胞内triglyceride分解障害は、その代謝経路の個々の酵素の欠損によるものではなく、細胞内脂肪酸、triglyceride代謝の調節機構異常による可能性が考えられた。
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