研究課題/領域番号 |
62570369
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小松本 悟 (1988-1989) 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60129434)
荒木 信夫 (1987) 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70151157)
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研究分担者 |
濱田 潤一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70180940)
小松 本悟 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60129434)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 青斑核 / 脳循環自動調節 / 脳実質内血管 / 上頸部交感神経節 / 脳循環 / 炭酸ガス / ノルアドレナリン作動性神経 / 活動電位 / 能潅流圧 |
研究概要 |
〔目的〕青斑核の脳実質内血管に対する作用を明らかにする為、一側青斑核電気刺激時の両側大脳皮質脳血液含量(CBV)の変化を検討した。〔方法〕成猫5匹を用い、先端部直径30μmの同心円刺激電極をstereotaxicに青斑核に刺入し、120秒間の電気刺激(3V、3msec、20Hzおよび50Hz)を行った。CBVは両側頭頂部に装着した光電装置を用いて連続記録した(刺激側:CBVi、非刺激側:CBVc)。〔結果〕1)20Hz刺激時:CBViは刺激開始後より減少方向への変化を示し、80秒後にはCBViの減少は有意となり、刺激前値より0.14±0.04vol%(mean±SEM)の減少を示した(p<0.05)。CBViの刺激前値よりの減少量(ΔCBVi)は刺激開始100秒後には-0.15±0.05vol%(p<0.05)、同120秒後には-0.15±0.03vol%(p<0.01)となった。120秒にて電気刺激を中止したが、刺激開始140秒後にCBViは最小値を示しΔCBViは0.15±0.05vol%であった(p<0.05)。以後、刺激開始180秒後まで有意なCBVの減少が持続した[ΔCBVi160秒後;-0.14±0.04vol%(p<0.05)、180秒後;-0.12±0.04vol%(p<0.05)]。CBVcに関しても同様に電気刺激開始後より減少方向への変化を認め、120秒後には有意となり、刺激前値より0.25±0.09vol%減少した(p<0.05)。その後有意なCBVの減少は刺激開始140秒まで持続した(ΔCBVc140秒後;-0.24±0.07vol%(p<0.05))。2)50Hz刺激時:CBViは刺激開始後より減少方向への変化を示し、CBVcについても、遅れて減少方向への変化を示したが、CBVi、CBVcともに統計的に有意な減少は認められなかった。本研究によって青斑核電気刺激は脳実質内血管を収縮させることが明らかとなった。青斑核は脳軟膜動脈に対する上頸部交感神経節の収縮作用と相まって、脳循環autoregulationの一部になっているとも考えられる。青斑核と上頸部交感神経節の相互関係、脳循環autoregulationに果たす役割の解明が今後の研究課題である。
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