研究課題/領域番号 |
62570382
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 淳郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (00150277)
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研究分担者 |
山田 薫 東京大学, 医学部(病), 医員 (00735152)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 内因性ジギタリス様物質 / ウアバイン / 血管平滑車筋細胞 / 腎尿細管細胞 / 食塩と高血圧 / 本能性高血圧症 / Na^+、K^+-ATPase抑制因子 / Na利尿ホルモン / 本態性高血圧症 / Na^+, K^+-ATPase抑制因子 |
研究概要 |
我々は生細胞(ヒト赤血球)への^3Hウアバイン結合抑制活性を指標とするNa^+、K^+-ATPase抑制因子の検査方がこれまで使用されている方法のなかで、感度・選択性の面から優れていることを見い出した。この方法に基づき、ヒト尿およびイヌ血液から高速液体クロマトグラフィーを活用する分離法にて、Na^+、K^+-ATPase抑制因子を単一ピークにまで精製すること成功した。精製物質はヒト赤血球への^3Hウアバイン結合の競合的・可逆的抑制因子であり、ヒトリンパ球にも同様に作用する。またジギタリスの生物学的特性(イヌ腎Na^+、K^+-ATPase酵素活性の直接抑制、ラット脳レナプトゾームへの^3Hウアバイン結合の抑制、ヒト赤血球へのウアバイン感受性^<86>Rb取りこみの抑制)を満足した。Na^+、K^+-ATPase抑制因子の標的臓器として重要と考えられる血管平滑筋細胞と腎尿細胞いにおいても作用を発揮し、前者ではNa^+、K^+-ATPase特性を抑制し、^<45>Ca流入亢進、^<45>Ca流出抑制、細胞内遊離Ca^<21>濃度上昇をもたらした。後者では^3Hウアバイン結合を抑制した。以上の成績から、我々が精製した物質はNa^+、K^+-ATPaseの生体内リガンドとして機能している可能性が大きい。また本物質は哺乳類視床下部に存在することが確かめられ、予備的な結果では視床下部から遊離される成績も保っている。また入院患者を用いた臨床成績ては、高食塩食摂取に伴い、本物質のヒト尿中への排泄量が著増することが確認され、Na利尿因子として挙動する可能性が大きい。 今後、本物質の科学構造の決定とその生理作用の解明が課題として残されている。 また、上に述べた物質と同じジキタリス様活性を有するが、極性の異なるNa^+、K^+-ATPase抑制因子もヒト尿から精製しており、同様な課題が残されている。
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