研究課題/領域番号 |
62570419
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中畑 龍俊 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (20110744)
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研究分担者 |
長沼 邦明 信州大学, 医学部, 助手 (90180504)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 組織肥満細胞(CTMC) / 粘膜肥満細胞(MMC) / インターロイキン3(ILー3) / インターロイキン4(ILー4) / TPA / プロテインキナーゼC(PKC) / メチルセルロース培養 / インターロイキン3(IL-3) / インターロイキン4(IL-4) / CFU-Mast / IL3 / IL4 / シグナル伝達機構 / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
肥満細胞は存在部位により組織肥満細胞(CTMC)、粘膜肥満細胞(MMC)に大別されるが、両者は細胞の大きさ、染色性、プロテオグリカンの種類、増殖因子依存性など種々の点で異なっている。MMCはin vivoではT細胞依存性に、in vitroではILー3依存性に増殖することが知られているが、CTMCの増殖については充分解明されていない。われわれは最近、マウス腹腔細胞より分離した成熟CTMCがその性質を有したままメチルセルロース中で増殖することを見い出した(Nature1986)。 本研究において、われわれはCTMCはILー3のみの存在下ではクローナルな増殖は起こらないが、ILー3とILー4の両者の存在下で増殖することを明らかにした。さらにILー4に代わる物質としてprotein kinase C(PKC)のactivatorである12-0-tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)の作用について検討した。ILー3、TPAいずれも単独ではCTMCからのコロニー形成は誘導されなかったが、両者の存在下において多数のコロニーが形成された。PKCを活性化する作用のある他の3種類のフォルボール誘導体にはTPA同様ILー3存在下でCTMCからコロニー形成を誘導したがPKCの活性化作用を有しないフォルボール誘導体にはコロニー形成を誘導する作用は全くみられなかった。CTMCの持続的な増殖のためにはILー3とILー4あるいはTPAが培養液中に常に存在することが必要であった。このことはTPAがCTMCの増殖の点においてILー4に代わるシグナルになりうることを示すとともにPKCの活性化がCTMCの増殖の上から重要な意味を持つものと考えられる。ILー3とILー4あるいはTPAで形成される肥満細胞コロニーを個々にとり出し、形態学的に検索すると、成熟肥満細胞からアルシャングルー(+)、サフラニユ陰性(-)、ベルベリン染色陰性のMMCに近い細胞に転換する可能性が明らかとなった。
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