研究課題/領域番号 |
62570429
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
磯部 健一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00159815)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 脳血流 / レーザードプラ血流計 / 新生児無呼吸発作 / 脳血流自動調節 / 新生児脳障害 / 脳組織内pH / 血圧 / 脳波 / レーザードップラー血流計 / 低酸素性脳障害 |
研究概要 |
新生児期早期の動脈血圧は無呼吸発作、痙攣、理学療法、気胸などによって急激に上昇することが知られている。さらにヒト新生児においては動脈血圧の変動に対する脳血流の自動調節は容易に喪失するとの仮説が立てられている。そこで無呼吸発作時における脳血流の動態を明らかにするために研究を行った。(方法)脳血流の自動調節が証明されている新生仔豚を用いて、人工呼吸管理下で無呼吸状態にせしめ、脳血流を連続的にレーザードプラ血流計で測定し、同時に脳波、血圧、心拍数、動脈血液ガス、組織内pHを測定した。(結果及び考察)1.無呼吸の持続時間が2分以上で脳血流の自動調節が喪失することが明らかとなった。2.1分と1.5分の無呼吸でも無呼吸と人工換気を交互に5回行った後では、脳血流は前値の1.3〜1.5倍まで増加した。3.3分間の無呼吸における脳血流と生体情報:(1)脳血流は無呼吸開始2分以後急激に低下し中止時には前値の40%と最低値を示した。この時の平均血圧は前値より高値であったが、心拍数は48%と著明に低値を示した。無呼吸中止後、血圧は中止後30秒に前値の約1.8倍まで増加したが、脳血流は3分まで急激に増加し、前値の約1.7倍に達した。脳血流の血圧の頂値の時期は一致しないが増加率はほぼ同程度であった。(2)脳波:無呼吸開始後低電位となり2分前後で平坦化したが、脳血流と脳波の平坦化の間には有意な相関は認められなかった。(3)動脈血液ガス:PaO_2は無呼吸中止時に最低値を示し、回復後急激に上昇し1〜2分後には前値より上昇した。PaCO_2は中止時に最高値を示した。動脈血pHは中止後20秒後に最低値を示し以後漸次増加した。(4)脳組織内pH:無呼吸開始2分後より低下し中止後1〜2分に最低値を示し、呼吸開始後も前値まで回復しなかった。以上の成績より無呼吸発作の回復前後で脳血流が急激に変動することが明かとなった。
|